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May 19, 2009

AK‐47世界を変えた銃

個人的にはM16の方が好きだけど。



ガンスキーとしては、見かけた以上買わねばということで。
国旗にまで書かれてる有名な銃、カラシニコフの誕生から現在にいたるまでの歴史と、ライバルであるM16との比較、現状でも内戦が続いている国でのAKの使われ具合といったところまで、かなり細密に書かれてて、あっという間に読み切ってしまった。

もともと、ナチスドイツを食い止める為に作られたはずのものが、ベトナムやアフガンを経て、各地に散らばり、今もメインのサブマシンガンとして使われてるってのは恐ろしいことで。
泥につけても砂につけても問題なく打てるというあたりがAK-47のすごいところだし、それゆえに地方紛争がなかなか終わらないんだろうけれど……
(ちょうど今日、LEETが敗北宣言して、スリランカが落ち着いたらしい)

本家ロシアでは生産終了したらしいけど、結局、旧ソ連の衛星国だったあたりには、製造ラインががっつり現役で残っているらしいので、完全に無くなるってことは無いんだろうね……
(ちなみにAK-47にかわるロシアの新型AN-94は2点バーストで、滑車による反動相殺機能によって、初段と2発目がほぼ同じ場所に着弾するという恐ろしいものらしい;;;)
ゲームだと、AK-47は(特にM16と比べて)いまいちな性能になっちゃうんで、あまり使わないんだよなぁ(苦笑)
そもそも、泥につけたり砂に埋もれたりするフィーチャーがないしね(苦笑)

August 07, 2008

アフガンの男

ある意味、フォーサイス節全開。

アフガンの男 上 アフガンの男 下

内容バレはめんどくさいのもあるので避けるけど、ここ数年のフォーサイスものと同じで、設定と経過に命が注がれており、壮大なラストを求めている人には向かないと思う(苦笑)
が、自分はこういうのは結構好きなのでいいんだけど(笑)

上巻まるごと、登場人物・背景・世界情勢・作戦へ至る準備に割かれており、ここだけで十分にアフガニスタンの勉強ができてしまう。
下巻にそれがどう展開していくかが集約されているのだけれど、終盤に行けば行くほど「あら、そんな収拾なんだ。うーん……」という気がしてくる。
特に本物が軟禁から逃げ出すに至るくだりはちょっとなぁ……別になくても良かったんでは?と。
現実にありえたとした場合に、そういう風にオチていくんだろうなというのはわかるので、もうちょっとこう、別の切り口があっても良かったかなー。

June 29, 2008

松田聖子と中森明菜

いまさら?的な何か(笑)

松田聖子と中森明菜 (幻冬舎新書 な 1-2)

ふと立ち寄った本屋で見つけて購入。
新書なのでさくさくと読み終えたんだけど、「んー、これは特に目新しくもなく」って感じで。

自分の年だと、ちょうど聖子vs明菜な世代なのだけど、明菜様派としては情報をまとめたぐらいじゃんって感じで、そういう意味での価値しかないかなー。
あと、出版物や露出が圧倒的に聖子の方が多いので、中身としては「松田聖子とその他のアイドル」ぐらいじゃないの、これ?(笑)
最後が明菜様のリスカ後会見で終わってるのもどうかと。
むしろ二人ともそこから先の方がいろいろとあったと思うんだがねぇ……

June 25, 2008

もっとも美しい数学 ゲーム理論

確かにここまで来ると新しいSFの創作は難しいな。

もっとも美しい数学ゲーム理論

風邪だか食当たりだかで、週末から週頭にかけて発熱ダウンしてた間、さすがにずーっと寝てるわけにもいかなくて読み終えた。

ゲーム理論の本というと、どうしてもゲーム理論の数式をメインにしたゲーム理論だけの解説本が多いけど、この本は逆で、数式はなし&ゲーム理論が他の学問にどのように活用されてきはじめたかを丁寧に解説している。
もうそれだけでも十分に買いなのだけど、序章がアシモフとその著作<<ファウンデーション三部作>>から入るあたりがツボすぎる(笑)

序盤は基本的なゲーム理論(協力ゲーム・非協力ゲーム)の歴史と理論をわかりやすく説明してくれ、中盤にかけて他の学問へと話が展開する。
生物学における「戦略」としてのゲーム理論から脳神経を「経済」として捉えるゲーム理論へと進み、人間という個体がどうふるまうか人類学としてのゲーム理論にシームレスにつながっていく。
そして、いったん人間の『個』に対して、ゲーム理論からの帰結が必ずしも成立しないことをキッチリと述べているあたりがミソ。
だからこそ、中盤以降から終盤にかけての、個々としての人間の集まり=社会全体に目を移した「ゲーム理論+α」で社会を紐解くあたりが面白い。
+αには、ネットワーク理論・量子力学・確率統計とすでに自分自身が興味があって各種読破しているあたりがぞろぞろと出てきたのもあったしね(笑)
(量子力学と確率統計はメジャーだからいいけど、ネットワーク理論だけはスモールワールド・ネットワークあたりを読んでおいた方がいいかも)

最終的にゲーム理論+いくつものαによって人生、宇宙、すべての答えが42としてはじき出されるかどうかはわからんけれど(笑)、そのスタートポジションには到達したことを実感できた気がする一冊だったなぁ。
(ちなみにエピローグは「エンダーのゲーム」から入る(笑))

May 13, 2008

CODE

いまさら基本に戻る。

CODE コードから見たコンピュータのからくり

ブックレビュー - The Joel on Software Translation Projectに掲載されてた本で、すでに持っているものや手に入らないもの以外は全部買って、じわじわと読んでいる。
一番すんなりと読めたのが、このCODE。
「あんた大学で計算機工学と演習やったはずやん」ではあるのだけど、あの時もう少し真面目だったらなぁと(苦笑)

で、この本は今すぐにプログラムしたい人間に役に立つような本ではない。
上記にもあるが、
この本は、明らかにプログラマ向けではない。プログラマになりたいのか、あるいはプログラマのしていることを理解したいのか、あるいはビットとバイトの奇妙な世界を探索したいと思っている、非プログラマのための本だ。この本を読んでみるといい。この本に書かれていることがすばらしく思え、プログラマになりたくなったら、次に挙げる「プログラミング言語C」を読む(そうして手を動かす)といい。
という本。
でも、あえてプログラム組めるようになってから読む方が面白いと思う。
(ちなみに自分は「プログラミング言語C」―いわゆるK&R―を先に読んでCを覚えた派)

「何か面白いことをどれだけ楽に済ますか」がプログラマの基本って話が最近多く、もちろんそれは間違ってないと思うんだけれど、「楽に済ます方法をどれだけちゃんと考えるか」も重要だよなぁ、と。

April 14, 2008

そんなんじゃクチコミしないよ。

ネットなんてそんなもん。

そんなんじゃクチコミしないよ。 <ネットだけでブームは作れない!新ネットマーケティング読本>

面白かったー。
まあ、あいちーバブルがはじけてもネットに過度の期待を持ったりしてる人が多い中で、冷静にその特徴を書き表してる本だなぁ、と。
実際、何か買う時にネットクチコミってほとんど影響してないしなぁ、自分も。
実際のクチコミでも「あれは面白いからやっとけ」ってソフトは借りれるわけだし(笑)、逆に周りの知人が買いそうにないものを買う方が経済的だしね(爆)

March 28, 2008

ハッカーのたのしみ

偽物なので今頃読んだ(苦笑)

ハッカーのたのしみ―本物のプログラマはいかにして問題を解くか

序盤は頭の中で追いつくレベルだったけど、最後のほうは全然。orz
理屈はわかるけど、実際にコード書きながら読まないと、自分のレベルでは身に付かないわ(爆)
WindowsとかリッチなOS上なら、ライブラリやコンパイラがやってしまってるんだろうけど、組み込み系とか少しでも処理速度UPしたいときに見直すことになりそう。
全然方向は違うけど、2進を使った加減乗除はパズル的要素も多々あるので楽しいよね、と(笑)

March 26, 2008

Statistics Hacks

確率スキーにはいい本。

Statistics Hacks ―統計の基本と世界を測るテクニック

MindHacksやMindパフォーマンスHacksと同じ作者ということで、全体的な統一感があまりなく、かなり散漫な感じの中身だが、個々のHacksに関してはこちらの方が使い勝手がある。
とはいえ、統計と確率計算なんて、日常生活で意識して使うものではないので、「おおお!」と思う人間もまた少ないだろうなぁ。
基本的にこの手のHacks本は「こういう時に使うのか」というあたりが重要視されるだろうし。
ただ、ボードゲームとかカードゲームが好きな人間としては、モノポリーのくだりとかはかなり楽しく読めたので、そういうあたりをメインに掘り下げた一冊が欲しいなと。

February 13, 2008

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点

連休中は風邪→扁桃腺腫れで死んでました。

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書 595)

体調悪いながらも、飯は食わねばならんので、ついでに寄った書店で購入。
基本的に著者の視点には近いものがあるので、「そうだよねー」と思うのだが、『<論点15>セカンドライフの崩壊するとき』にある、
現実にセカンドライフを遊んでいる人の多くはコアなゲームマニア層などで、(以下略)
……さん、はい!

えー!?

とりあえず身近にいる、コアなゲームマニア層と思しき人で、セカンドライフを満喫してる人なんていませんが(苦笑)
一応、△▲ La Mirage - MMORPG Guild ▲△さんとこでリポート出てますが、PlanetSideより回数少ないぐらいだしなぁ(笑)
ま、あれはゲームではない何かなので、ゲームマニアは一度だけ触るか、信頼筋のレポート見るかで終わりっしょ。
なので、今、セカンドライフやってる人は、もっと何か崇高な人たちなのですよ、きっとね。

January 30, 2008

その数学が戦略を決める

ペースアップ中。

その数学が戦略を決める

面白かったので一気に読んでしまった。
データマイニングとその威力について十二分に書かれており、理系の自分としても「そうそう」と思う部分が多かったのだけど、映画のシナリオにまで”絶対計算”の適用範囲があるとは思いもしなかったな。
こういう絶対計算は、理系人間ならたいていは納得する方だと思うのだけど、それもあくまで『自分と関係ない世界だったら』なんだよな、と。
例えばこの本にあるワインの質(値段)についてなら、「そりゃ、ぶどうが育った年の気温とか、育った土壌とか、その統計で出るに決まってるじゃん」と思えるのだが、それが映画のシナリオとか言われると「それは嘘じゃねーの」と思ってしまう(苦笑)
いくら過去の映画のシナリオとその興行成績データの蓄積があるからといって、今作っている映画のシナリオに「統計的に考えてこのシーンを追加すべき」とか言われたら……
(その理論で行かれると「ちょっと改良したシステム&似た感じのシナリオの続編ゲームが一番安定」っていうつまらないオチになるしなぁ(笑))

ただ、本書では絶対計算万能説を説いているわけではなく、そもそも計算式を設定するのが人間なのだから、その人間がミスればとんでもない結果が出ちゃうよというところも抑えてある。
だからこそ、計算をする前のデータの山こそが本当の意味での宝であり、それを際限無く蓄積していけるのが今の世の中なんだよね、と。
あと、そういった蓄積されるデータは主に個人データになるわけで、プライバシー問題なんかも出てくるわけだけど、その辺についても「結局、出すほうがメリットがあるなら出しちゃうじゃん、みんな」つーのも「あー、確かにそうだねぇ」と思う。

最後の章では、日常使うことができる簡単な絶対計算(2標準偏差とベイズ理論)の例を挙げていて、さらっとした終わりになってしまっているが、それぐらいさらっと絶対計算が生活に入り込んでくる時代に、もうなっちゃってるんだろうなぁ……

January 28, 2008

ファイナンスの数理入門

これまた疲れた。

ファイナンスの数理入門 (経済社会の数理科学)

のっけから数式ばんばん出てくるので、理系じゃないとつらいかも。
理系でも結構好きじゃないとついていけないかも(苦笑)
最初からまじめに追うのが正しいんだろうけど、わかりやすい第二部の頭から入り、ちょくちょく第一部に戻りながら読んでくのが一番良さげかなー。
とりあえず、数式は概念理解に留めておかないとキリが無い感じってことで(爆)

January 23, 2008

ポアンカレ予想を解いた数学者

疲れた。

ポアンカレ予想を解いた数学者

ポアンカレ予想については、Wikipediaのページにある
"分かりやすく説明すると、宇宙の中の任意の一点から長いロープを結んだロケットが宇宙を一周して戻ってきて、ロープの両端を引っ張ってロープを全て回収できた場合、宇宙の形は概ね球体(=ドーナツ型のような穴のある形、ではない)と言えるのか、という問題である。"
ポアンカレ予想 - Wikipedia
がとてもわかりやすい。

で、実際にペレルマンについての記述が出てくるのは本の半ば以降。
それまでは、ペレルマンが証明するまでの数学的進化や他のアプローチによる失敗を著名な数学家の歴史とともに振り返る形になっており、純粋にポアンカレ予想とその証明について知りたい人には向かないかも。
この辺は好き嫌いあるだろうけど、個人的にはペレルマンについてもう少し掘り下げて欲しかったかなぁ。
まあ、ペレルマン自体が賞も辞退するような数学者なので、書くことが見つからないのかもしれんけど。

January 09, 2008

「陰」と「陽」の経済学

わかりやすい。

「陰」と「陽」の経済学―我々はどのような不況と戦ってきたのか

バブルがはじけたところからの日本の経済不況をきっちりと整理できている本かな、と。
著者の「バランスシート不況」という見方は、「あー、確かにそうかも」と思う部分が多かったのだが、「じゃあ、今の日本の不況はさっくりと立て直せるのか?」という点では疑問符。
銀行から借りた金での未来への投資そのものが、どうも回収できるような社会じゃないと思うんだよねー……
やたらめったら道路作ったりするご時勢でもないし、かといって、先端技術的なものは、万能細胞とかそっち系ぐらいしかないんだよなぁ。
少なくとも、ソフトウェア業界でなんか革命が起こったりはしないよなぁ、と。

June 06, 2007

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

ああ、心が痛い。orz

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

Amazonリンク先の商品の説明に、紹介されている事故一覧があって、それだけでも心ときめく内容だったわけだが、実際読んでみてスゲー面白かった。
と、同時にいろいろと心にずきずき来る物があって「あいたたたー」的な(苦笑)
迫り来る期限に対するプレッシャーからの見落とし/見過ごしもさることながら、立場というものに流されることで反論自体を押さえてしまう人間心理とかね……

May 22, 2007

ココロミくん

より抜きなのか……orz

ココロミくん ココロミくん2

知ってる人は知ってる@nifty:デイリーポータル Zで連載?してるやつのまとめ本。
べつやくさんが美人なのでお勧め(ぉ

より抜きなんで全部載ってるわけじゃないのがなぁ……
載ってないのにも面白いのはたくさんあるんだけどな(笑)

April 27, 2007

エンジニアのための時間管理術

なるほどね。

エンジニアのための時間管理術

専属エンジニアよりは、いろんなことを掛け持ちするタイプのアドミニストレイター向け。
日々様々な要求が来るところを、どうやってうまくさばきつつ、きっちりと自分の仕事もやっとくためのスケジュール管理術で「あー、なるほどね」と。

で、この本では「とにかく紙なりPDAにメモれ」と。
「記憶に関して自分を信用するのはやめて、今すぐやらないものは全部メモれ」と書いてある(笑)
あとは主に時間の効率的な使い方がメイン。
確かに朝一にメールチェックを隅々やるよりは、重要なのだけ処理した上でメールクライアント落としてしまうほうが集中できるだろう。
定常的な業務なんかも、失敗しない方法のサイクルを体にしみ込ませて、それを日課なりの習慣にしてしまった方が確実だし、そこを起点にスケジュールが組めるってのもあるし。(超フリーなスケジュールってのは、逆に何でも割り込ませてしまって失敗するんだよな(笑))

読んでるうちに、ふと「そういや、Clie(TH55)がSony撤退で死んでるなぁ」と思い出し、なんとかMacと同期して使えんもんかといろいろ探してみた。
最初はPalmDesktopを入れてみたのだが、これは×。ちゃんと調べたら、どうやらTH55ではダメらしい。(他の機種ではこれでOKだったりもするが)
最終的にMissing Sync v4というのが良いらしいということで、sonystyleのIDをなんとか思い出して購入。
インストールして無事通信に成功し、しかもiCalやアドレスブックといったあたりともきっちりと同期が取られるというすばらしさ。
なんか、買った当初にWindowsで同期して「使いづらいのぅ……」と思ったのが嘘のようだ(苦笑)

最近はプライベートなスケジュール管理にstikkitを使ってて、これがiCalとつながるんでかなり重宝してたりする。
実際にClieそのものからスケジュールの追加入力をするケースは自分にはそうないが、stikkit入力→iCalだったものを、さらにiCal→Clieに移して持ち運べるのは結構でかいかも(笑)

April 19, 2007

利己的な遺伝子

重いよ(笑)

利己的な遺伝子 <増補新装版>

電車内で立って読むには重すぎる(笑)
数年前に読んで、2回目になるわけだが、前よりは良く読めたかなという気がする。
ただ、「まだまだ深いところまで読めてないんだろうなぁ」とも思うわけで、数年後にまた読み返すだろうなと。

ドーキンスの「生物とは利己的な遺伝子が操作する生存機械」という考え方は、やっぱり理に適ってるなと思うけど、それを完全には認めたくないような気持ちがあったりするわけで。
が、その認めたくない気持ちってのも「利己的な遺伝子」のせいだと言われるとどうしようもないわけだけど(笑)

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April 06, 2007

ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法

もしくは、ホワイトボードのちゃんとした使い方(笑)

ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法

なんとなくお勧めに入ってたので買ってみた。
ちょっと、読みかけの本があるんだけど、そっちが重いんで、割り込んでさくっと。

基本的に、会議におけるホワイトボードの有効な使い方のノウハウ本なので、そういうシーンがお仕事的に多い人にはお勧めなのかも。
個人的には「うん、まあ、そうなんだけど、いつもそうはいかないよね」というあたりかな。
会議に参加する全員がこれを読んでおく必要があるよな、と思うし。

最近のホワイトボードは書いたものをプリントアウトしたり、スキャンして画像に落とす機能がついてたりするらしく「便利な世の中になったものよのぅ」とか思うんだが、ぶっちゃけホワイトボードの内容は誰かが議事録にまとめ直してファイリングしないと意味ないと思う(笑)
まあ、単に「あんたの字は汚くて、そのままじゃ読めないからでしょ」というあたりなんだけどさ。orz

March 15, 2007

なぜこの方程式は解けないか?―天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密

もしくは「ガロアの生涯とその功績」

なぜこの方程式は解けないか?―天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密

方程式の解を求める歴史を一次方程式~五次方程式以降までをたどりつつ、五次方程式を解くために必要な発想であったシンメントリー、そしてそこから導かれたさまざまな理論について語っている。
序盤はその感じで進んで行きつつ、中盤で本題の五次方程式(および、それ以降の高次方程式)の解について述べるあたりから、エヴァリスト・ガロアが話のメインとなる。
革命家であり数学者であるガロアがどのような生涯を送り、また、その激動の人生においてどのような過程でガロア理論を構築したかというあたりは、サイエンスというよりはノンフィクションの面白さがある。
同時期に五次以上の高次方程式が一般解を持てないことを解いたニールス・アーベルについても詳細に書かれており、これがまたガロアと似た人生を送っていたりとかシンメトリーで興味深い。

終盤は完全に方程式・シンメトリーについての話は食材レベルであって、そこから導かれたさまざまな理論(一般相対性理論や量子論)について語られており、さらに話は「どうやってガロアがそれを思いついたのか?」に焦点が移っていく。
それは必ずしも数学の天才である必要はなく、創造する才能ではないかというのが作者の主張。
ガロアがシンメトリーに行き着くには、それまでの理論はほぼまったくといって役に立たなかったはずで、逆にそれらの縛りを無視し、誰も考えなかった新たな視点を持ったからこそではないか、と。
前に読んだ「楽しみの社会学」の著者、チクセントミハイの研究結果を踏まえつつ、ガロアがいかに創造性に富む人間だったかについて、多くは伝聞と推測であるが、なかなか納得できる展開ではあった。

全体的に序盤から中盤にかけてとガロア理論のあたりが激しく数学しているし、そこ以降は一般相対性理論や量子論、量子力学、音楽にまで話が膨らむので、はっきり言って文系には読みづらいと思う。
理系である自分ですら、「え?えーっと……」で理解しなおすために調べなおしたりするぐらいなので。(まあ、錆びた理系なのは確かだが(爆))
ただ、最後まで通して読んでみると「別にその辺は気にせずに読んでOKだったかな」と(笑)

March 01, 2007

理系のための プレゼンのアイディア

パッと見て、さっと思い出す感じで。

理系のための プレゼンのアイディア

理系のためのと銘打ってはいるけど、プレゼン全般に役立つTipsがわかりやすく盛り込んであるな、という本。
なんで、さっくりと読了したのだが、どっちかというと覚えておくというよりは、必要になったらパラパラとめくって「あー、うんうん」みたいな使い方の方がいいんだろうなぁ。
まあ、プレゼンなんて規模のものはそうそうするもんじゃないけど、ちょっとした何かを他人に説明するときにも応用が効きそうだ(笑)

February 21, 2007

不思議な数πの伝記

ポピュラーサイエンスに走っております。

不思議な数πの伝記

「異端の数ゼロ」に比べると、ちょっと内容が薄い気がする。
内容としては、古代から円周を求めるための公式として近似値がどんどんと近づいていくところを追っていき、やがてπが超越数であるところに行き着く。
その後は、πの不思議な性質や、円とは全く関係の無い場所に現れるπについて書かれており、知らない部分もたくさんあってか興味深いところも多かった。(確率にπが出てくるのって知らんかったわ(爆))

んで、つまるところ、πというものの存在意義自体が解明されているわけではないので、どうしても上記二つで話が終わってしまっているのが「薄いかなぁ」と思う点。
妙なところに現れるπから、推測でもいいので著者の持つπの存在意義みたいなものが書かれていて欲しかったかな、と。
あと、エピローグに27ページも使ってπの値を書き連ねる必要があったのだろうか?
なんか、小説書きでページ稼ぐ方法の「兵隊さん集めて号令」を思い出してしまったよ(苦笑)

そいや、π^2が重力加速度っぽい値になるのはなんでだろ?(きっと全然関係ない(笑))

February 14, 2007

異端の数ゼロ

さすが早川書房。

異端の数ゼロ―数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念

0について、あらゆる方面からの歴史を追いかけた非常に内容の濃い本。
古代の「0が存在しない」概念から「0の導入」とそれによる影響を、数学だけでなく宗教や哲学まで含めて解説している。

まあとにかく、ハードSF好きな理系の人間には読んでおいて欲しいので詳しい話は避けるが、0の導入→0除算問題→極限の話は基礎知識として理解しておくと、色々と応用が効いて良いんじゃないかと思う。
その後、虚数の話が若干挟まったあとからが、ハードSF好きには必読。
一般相対性理論と量子論の接点から、ブラックホールやビッグバンにまで出てきて、ひも理論における0の駆逐にまで話が及ぶ。
付録にはワームホールタイムマシンの作り方も書いてあるし(笑)

そんなわけで後半がかなり楽しいのだが、やはり個人的には前半の微分積分と極限の話と虚数の話を推したい。
一般相対性理論や量子論ももちろん楽しいのだが、微分積分と極限の話の適用範囲っていうのは、数学だけの分野のものじゃないということを、理系じゃない人間にも知って欲しいんだよなぁ。
人間の思考を微分したものが表現であって、受け取り側が積分して理解してるから、話が食い違うことがあるんだよね、とかさ。

January 17, 2007

四色問題

新たなる証明への扉。

四色問題

理系の人間なら一度は聞いたことがあり「へー、そうなんだー」となんとなく知っていると思われる四色問題。
「白地図を塗り分けるとき、四色あれば充分」という定理の起源と、その証明にいたるまでの歴史的過程についてが書かれている。
問題自体が単純なだけに、「意外と簡単に証明できるんじゃないの?」と思いきや、これがかなり難しい問題だということに、読み進めるほどに気がつけて面白い。
途中でいったんは「解決した!」と思われた証明に10年以上たって反例が出されたりとか紆余曲折があり、数学について知らなくても、関わった数学者のストーリーとして十分楽しめるし。

最終的には、「四色問題の反例となる、塗り分けに5色以上必要なグラフが存在するという最小反例が存在し得ない」という証明に行き着くのだが、そのためのチェック(約2000個以上のグラフの集合)をコンピュータで総当りしていたりする。
この「コンピュータによる証明」が「数学的にエレガントで無い」という批判も出たりしているが、今現在でもその方法以外での証明ができていないのも興味深い。
人間が紙と鉛筆で証明を書くことの延長上に、一手段としてのコンピュータが加わるのは個人的に大賛成なんだけれど、チェックのアルゴリズムがバグってたらとか思うと怖いねぇ(笑)

January 11, 2007

小泉官邸秘録

そういや読んだんだった。

小泉官邸秘録

帰省途中の新幹線の退屈しのぎに東京駅で買ったんだった。
んで、新幹線と特急くろしおの中で全部読み終えたので、そのまま親父にあげちゃったんだよな(笑)

内容的には普通に新聞とかネットで見聞するような表部分しかかかれてないので「秘録でもなんでもないやん」と。
まあ、そりゃ次官クラスの人間の顔と名前まで一致してるわけじゃないが、小泉政権時の出来事もろもろが、どういういきさつでどうしたorなったかってのを列挙している程度。
表立って本になるぐらいだから、機密事項が書かれているわけでもないのは当然だし、そもそもそんな期待はしてなかったけど、それでも肩透かし感はあった感じかなぁ。

個人的に小泉政権の関係で一番面白い読み物は、小泉総理は運が強すぎる/小泉純一郎は運が強すぎる ~小泉超ラッキー伝説~だと思うわけで(笑)

January 10, 2007

人を賢くする道具―ソフト・テクノロジーの心理学

人間が提案し、科学が探求し、技術がそれに従う。

人を賢くする道具―ソフト・テクノロジーの心理学

とりあえず、楽しみの社会学を先に読んでおいて正解だった。
基本的に「人が技術を使う」のであって「人が技術に使われる」のはおかしいという主張であり、全くそのとおりだなと思う。
前半は技術の使われ方としてのユーザーインターフェースについて、例を挙げながらそれぞれにそれぞれの適切な適用例を交えつつの主張が展開される。

個人的に面白かったのは後半で、ここで楽しみの社会学で触れられたフロー体験を元に、人間は体験モードにより誘惑され、逆に内省的思考の維持に苦労しがちだという点。
内省的思考の補助としての体験モードを技術の利用によって得ているのであればいいのだが、単なる体験モードを技術による垂れ流しから感受する――要するにTV漬け――という状態は「果たして技術を使っている」と言えるのだろうか、と。
著者自身は上記のような「技術に使われてない?」というような状況が人間から内省的思考の習慣を奪い取ってしまいかねないという危惧を持ちつつも、技術を全否定するスタンスではなく、つまるところ技術をどう使うか(使われるか)はその人間の心次第だというスタンスを取っている。
そして、技術が内省的思考を補助するためのツールであるように、技術も人も発展していくべきだというあたりか。

原書執筆が1993年ということで、まだインターネットの普及前の本なのだが、果たして双方向メディアと言われるインターネットが著者の希望通りの「内省的思考を補助するためのツール」になっているだろうか?
まあ、もちろん使う人間によりけりなのだが、相互のつながりが容易になりすぎて逆に、そのつながりに流されている気がしなくもない。(世間一般的に流行ってるmixi疲れとか(笑))
自分自身、一昨年あたりからアンテナは自体は広めにしつつも、定期巡回の先は極力減らしてきた。
検索エンジンやRSS配信といった技術が急に発達してきてはいるが、その技術を持ってしても増え続けるWebPageのノイズが酷いからでもある。(もちろん自分も多くの他人にとってはノイズだろう(爆))
ぶっちゃけ、自分ですべてのアンテナをチェックしてたら、99%のノイズのためだけにゲームや読書の時間すら確保できないんじゃないかと思ったりもする(笑)
すでに領域的には本との出合いと同じで「本当に読むべきページはいったん見逃しても、本当に必要なときには出会える」という考えに近い。
だからこそ、今、内省的思考をすべく本を読んだり、(脳トレじゃない(笑))ゲームしたり、くだらん雑記を書き続けてたりする時間が持ててるのだろう(笑)

November 28, 2006

金融工学者フィッシャー・ブラック

金融工学というよりは、経済学全般かな。

金融工学者フィッシャー・ブラック

「1本の数式が世界を変えた。」ということで、なんとなく経済学の本を漁ってうちに面白そうなので読んでみた。

基礎的な経済学の知識が自分自身に足りないので、少し深いところについていけないのは統計学を拓いた異才たちと同じだったわけだけれど、こちらもそういうところはすっ飛ばしても十分に面白かった。

学者としては随分と遅くまで認められなかったブラックだが、そういった境遇にも凹まずに、常に自身の見解を突き詰めていくスタイルはすさまじい。
一つの枠にとらわれることなく、あらゆる角度から経済という現実に対しての切り口を見つけ、そこに新しい発見を見出しては精査を繰り返すのだが、けして「他人の意見を聞かない」わけではなく、常に他人からの質問・意見に答え、悪いところは素直に認めて修正するし、むしろそういう状態をお互いに欲し続けている。
ゆえに、往々にして従来の説に固執する知識だけの学者連からは疎まれたりしてしまうのだが、真に「経済とは何か?」を突き詰めようとする同士とは深いつながりを得ていくことになる。
その性格があまりに強烈なため、数度の離婚(うち一度は死別)を経験したり、大学・コンサル・ファンドを行ったり来たりと激動の人生を送ったわけだが、残念ながら60歳を前に亡くなってしまっている。

経済学という方向に恐るべき集中力を発揮し、その才能をつぎ込んだブラックだが「もし他の学問にその集中力が向かっていたら?」と思わずにはいられなかった。
きっとそこでも、従来の固執した概念にとらわれない斬新な切り口でその分野を照らしていただろうなぁと……

November 14, 2006

統計学を拓いた異才たち

やっとこ読了。

統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀

確率統計というと、どうしてもサイコロか統計調査ぐらいしか世の中的に実感しないのだが、工業製品の検品をはじめ、さまざまな分野で利用されていたりする。
その統計学を切り開いた歴史的人物を年代と彼ら・彼女らの相互関係をたどる形で章立てされていて、非常に面白かった。

数学的な公式などは全く出てこないので、その辺を心配する必要はないのだが、統計学における用語はある程度(少なくとも標準偏差とか正規分布とか)は知ってないと理解が大変なのがネックってとこか?
俺自身、ちょっと突っ込んだ用語や内容に出会ったところでは、ずいぶんとGoogleとwikipediaのお世話になったりしたわけで(爆)
まあ、あまり難しいことはパスする方針で読んでも、その人物の研究内容と実社会への適用や、他の研究者への影響などが十分面白いので、理系人間にはお勧めしたいところ。

November 03, 2006

マクロ経済学・入門

別の読みかけをいったん置いて。

マクロ経済学・入門

ふらっと本屋寄ったときに見つけたので購入。
「根本的な知識不足があるのはいかんなぁ」と思ってたりしたので(苦笑)

章立てで項目が分かれており、どこから読み始めても基本的にOKなのと、現実の日本経済の歴史を追いながらの解説なのでかなりわかりやすいかと。
欲を言えば、もう少し現実面での掘り下げが欲しいところだけれど、それじゃ入門書じゃなくなるしな。

October 30, 2006

エモーショナル・デザイン

美しいものには寛大になるよな。

エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために

つまるところ、多少使いづらくても美しいものであれば愛着が湧くし、使いづらさを人間の方で克服してしまえれば「これはいい物だ」とか思うこともあるんで、「確かになぁ」とうなずける。

この本の中では、それら物のデザインを「本能」「行動」「内省」という三つにわけ、それぞれがどのように使用者の感情に訴えかけているかを解説している。
「本能」はパッと見の直感的感情に訴えかけるもので、すなわち「美しさ」。「行動」は実際に使用する際の「機能」面。「内省」はその物へに関連する事項の「客観視」というあたりか。
これら三つのどれもが単独で物を成り立たせる要素があるものの、面白い点としては同時に起こるようではイマイチという点。
直感に対して「美しい」と思えるものは、「美しい」という感情と「なんで?」という「内省」な疑問が同時に来るわけではなく、あくまで「美しい」と思ったあとに「なんで?」とくるはずだ。

この前、XBox360のシルフィードのムービーを見たときに頭領と話したのだが、「何がしたいんだ、このムービー」とそれを見ている最中に思われるようでは、すでに本能レベルへの訴えかけが破綻し、内省レベルでの突っ込みを想起させてしまっている時点でダメだろうと。
本来、終わったあとのゲームに対する没頭を促すためにあったはずのムービーが、逆にゲームに対する不信感を煽ってしまっていてはなぁ。
その点、デッドライジングのムービーからゲームへのスムーズな以降は素晴らしかったな……

October 23, 2006

インターネットの法と慣習

制約の無い世界。

インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門

Hotwired Japanの連載を新書にまとめたもので、Wiredが停止してしまったこともあるし、無くなる前に確保&読了。
少なくとも現状のネットワーク上には、土地に相当する限界点が無い以上、適用される法律自体、ちゃんと考え直すべきだよねぇ、やっぱり。
まあ、世界に先駆けて日本からそういう動きが出るってことは「まずありえない」んだけどさ。
なんにしても、今までの既得権益を握っている層が効果的に切り崩されないことには、いろんなところで外国に先を越されてどうしようもなくなるんだけどなー……ってもうどうしようもないか(苦笑)

October 18, 2006

萌えわかり!戦国時代ビジュアルガイド

久々だな。

萌えわかり!戦国時代ビジュアルガイド

やー、絵柄ほとんど変わってないな、立花晶(笑)
連載時よりも余裕があるせいか、多少、気合入ってるなってぐらいで。
以上、感想終了(爆)

結局、問い合わせの返事ではAmazonのシステム上のエラーで滞ってただけだったらしい。
ま、やっすいけどクーポンをもらえたんでよしとするか。

October 12, 2006

スモールワールド・ネットワーク

最悪への対応力。

スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法

今さらだけど読了。
序盤は、SYNCと被るところも多いのでバシバシと読み進められたのだが、新ネットワーク思考におけるスケールフリー・ネットワークから、更に先に進んだ考えにいたるところが苦労した。
ダンカン・ワッツの考えとしては「バラバシらのいうスケールフリーは確かに的を射ているが、世の中の自然発生的なネットワークモデル全てがそれを適用すれば解決できる、ってのは言いすぎ」ってあたりか。
確かに新ネットワーク思考を読むと、「おお、スゲー!」という感じが俺自身も先走ってしまったのだが、これを読み進めるにつれて、「んー、確かに当てはまらん場合ってのもあるよな」と。
結局のところ、この問題を突き詰めていく過程において、各ノードの不均質そのものがネットワークの形態をさまざまに変化させてしまうかぎり、一意に「これが真理だ」というものは現状ではないだろうとしている。

その上で、その不均質の塊であるところの人間が形成するネットワークについて、後半で事例を交えながら語られている。
トヨタ=アイシン事件、カリフォルニアでの大停電、会議ばかりになる重役と会社組織、ホンダの部内技術交換会、そして9・11とそれぞれの事件・事柄に対応する会社組織や社会が生み出す、実は奇跡的でない奇跡的な成功と、起こるべくして起こったありえないはずの失敗というものを、人間のネットワークという観点で見直すのは純粋に新鮮で面白かった。

後半は3度ほど読み返し、ボーっとしてるときにはたいてい「この成功と失敗についての基本的な差とは何だろう」というようなことを考えていた。
で、まあ、もちろん個々のノード(人間)の対応力が決定的な差になっているのだろうけれど、とりわけ「捨てる決断速度」なのかなと。
周囲の状況を可能な範囲で把握しておき、それらの相互関係をもとにした全体的な優先順位をおぼろげながらにでも決めておく。
そうすることで、最悪の場合における個々のノードの「捨てる決断」のマージが早くなり、結果として被害は最小に収まっている気がするのだが……どうだろう?

September 05, 2006

国語辞書事件簿

なんで自宅にあんなに何種類も辞書があったのか理解できたよ。orz

国語辞書事件簿

辞書の歴史と、各辞書にまつわる製作工程秘話のようなものをキッチリと調べ上げて、読みやすくまとまっており、なんとなく注文してしまった割にはかなり当たりだった。

頭は辞書が「いろは」から「五十音」に変遷していく過程と、その理由や過程をつづっているんで、「終始こんな感じの辞書歴史本?」かと思ったのだが、次章からはその製作過程での秘話的なものをふんだんに扱っている。
辞書界隈では常識らしいが「親辞書」とか「名義貸し」とか「増補・改訂の線引き」なんかについて、実際に著名な辞書について徹底的に調べ上げて書かれており、「ほほー」と思うところが多い。

辞書もあくまで刊行物であり、もちろんその売れ行きが出版元を潤すゆえに「名義貸し」(金田一京助は実際の辞書作成にノータッチだった)とか、ほんの少しの修正で増補や改訂と銘打ったり、掲載語数が微妙にはぐらかされた嘘に近いものであったりと、なんともまあ俗っぽい話が満載。
特に「親辞書」――辞書を作るため、元にした辞書――を別の出版社から引っ張ってきたり、ばれないようにMixしたりと、単に一冊の辞書を眺めるだけでは到底わからんような作業について、きっちりチェックした結果を元に論じているので説得力がある。(チェック方法についてもちゃんと書かれている)

後ろから1/3については「広辞苑」とその編集に関わった人物&人物像だけでなく、同世代の辞書編纂家の人物についても調べ上げた上で、あくまで著者の推測という形で一応の結論を出している。
この結論については、興味がある人は読んでみて、個々人が判断すべきかと思うけれど、少なくとも国語学者にとっての辞書編纂への思い入れというのは良く伝わってくる内容だった。

んでまあ、この本に出てくる辞書「広辞苑」「大言海」「例解国語辞典」「角川国語中辞典」といったあたり、うちの親父が趣味で持ってたりする。(多分、まだ俺の書棚にあるはず)
「なんで国語辞典なんて、内容がどこも同じものをいくつも買うかね」と思ったもんだが、これ読むと「ああ、確かに辞書好きなら買うだろうな」と。
で、個人的に例解が一番使いやすかった理由もわかったし、いろいろとすっきりした感じで、もっぺん家の辞書全部見直してみたくなったなぁ。

August 30, 2006

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する

バトクレって感じ?

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)

ふらっと本屋寄ったときに見つけたんで買った。
ウェブ進化論よりもすっきりと事実がまとめられてて読みやすかったなと。
特に「すべてを支配していく」の第六章以降、現状のGoogleにある企業としての弱さ――まあ、日本の会社だったらありがちなことだろうけど――についても書かれていて、改めて「Googleとはいえ、そういうもんかな」と思い直せた。
そして、将来のGoogleがインターネット教の司祭として、その監視力で強大な権力を持つ可能性についても触れられていて、SFチックだがマジな可能性もあって笑えないなと。

実際のところ、Googleはすでに個人の情報の一部をデータベースに登録してしまっている。
俺なんかもそうだが、理系大学で卒論を書き、それが研究室のHomePageに掲載されてる人間は、漏れなくGoogleで自分の名前を検索してみるとわかる。
どこからか――たとえば住基ネット&Winnyみたいな組み合わせで――流出した個人情報が、いったんWebの世界に置かれ、それをGoogleBOTにクロールされた瞬間から、その人間は「Google様がみてる」状態になってしまうのだ(笑)
今でさえ「採用面接の前に志望者の名前をGoogleに掛ける」みたいなことが行われているわけで、今後もネット側から現実側への支配力が増大するだろうなと思うだけに、未来世紀ブラジルみたいなことにはならんで欲しいなぁと思ったりするのだが(苦笑)

August 25, 2006

偶然とは何か

北欧というとAoM・ロキ強すぎ。

偶然とは何か―北欧神話で読む現代数学理論全6章

現代数学理論とか副題がついてるけど、中身は特に小難しくもなくて、普通に面白かった。
序文にどこから読んでもOKと書いてあるけれど、やはり順番どおりに読むのがいい感じ。
偶然→運命→予想→カオス→リスク→統計という流れで読んでいくと、結局「偶然」というものが何なのかが、逆に「本当に偶然なんてものがありえるのか?」という気分になってくる。
もちろん、数学的に考えての話であるからして、実際には「偶然」に起こったとされる出来事の全ての因果関係を観測できない以上、「偶然」と言わざるをえないのだけれど。

しかし、そういうことを考えてると、もはや全てを観測できない事象になってしまったインターネットは人間にとっての「偶然」を発生させる要素になってしまってるんじゃないかとか、そのネットという第二の自然の中で既に知性が発生していて、単に誰もそれを観測できてないだけなんじゃないかとか、とかとか。

おそらくはGoogleの中の誰かがジョークとして入れたんであろう、"answer to life the universe and everything"人生、宇宙、すべての答え)も、「実はGoogleSearchEngineそのものがはじき出した検索結果なのかもしれない……」とか思ってしまいたくなるなぁ。

August 03, 2006

楽しみの社会学

ゲームの脳汁学。

 楽しみの社会学: 本 楽しみの社会学: 本

「脳汁」がどのようなときに出るのかを社会学の面から突き詰めており、「こういう本を待っていた!」って感じ。

この本の中ではこの脳汁モードをフロー状態と言っているわけだが、まずはチェス・ロッククライミング・バスケ・ダンス・その他創作活動といった趣味の活動に対象を向けて調査を行っている。
いずれも興味深いのが「フロー状態では自分が全てを支配している感覚」というやつだ。
自身の技量と挑戦する対象が良バランスにある場合に、このフロー状態が発生し、プレイヤーはそれ以外の全ての感覚・無関係な思考を完全に無くすレベルにまで集中する。
逆にバランスが取れていない場合は、退屈になったり、無意味に感じたりと、全く集中できない状態になってしまい、フロー状態は現れない。
そしてこのフロー状態こそが「楽しみ」の本質であり、行為の差や難易度バランスによって楽しみ=フロー状態に入るかどうかに差が出るが、人間が内発的報酬(いわゆる自己満足)を欲する基本部分に大きな違いはないことを突き詰めている。

実際、前述した趣味系だけではなく、当然、仕事でも人間はフロー状態を感じてしかるべきという観点から、外科医のオペに対しても対象を広げ、やはりフロー状態の経験が存在することを明らかにしている。
特に面白いと思ったのは、熟練したトップクラスの外科医になると、フロー状態では時間すら意のままに操る感覚まで持っているという点だ。
全てが自分の思い通りに動く状態が極限までいけば、確かに時間というものの存在が自身の行動の目安ではなく、行動の結果として時間が動くという感覚になるだろう。
「人はいつか時間さえも支配できるわ」といったララアの言葉も、あながち嘘ではなかったということか(笑)

さらに話は日常に無意識に存在する微小なフロー状態についての調査に入り、このマイクロフローというやつを無理に抑止した場合の意識変化についても、面白い結果を得ている。
マイクロフローの例としては、いわゆる鼻歌であったり、指を鳴らしたり、鉛筆回しであったり(笑)、と日常生活において、特に意味は無いがなんとなく楽しくて行っている行動が挙げられる。
こういった行動を意図的に抑止した場合、その抑止が長く続くと、人間はしだいにイライラし始め、精神的不調をきたし始めるという結果だ。
意図的に抑止するという行為自体が、その本人に対してのプレッシャーになるだけでなく、空虚を埋めるすべを無くすこと自体、やはり不安定になるのだろう。

終章はまとめ的な部分&著者の意見が書かれているのだが、特に子供にとっての楽しみの意義について書かれている部分が興味深かったので引用しておく。
我々の視点から見た場合、より重要なことは、現在子供たちがその中で成長しつつある典型的な環境が、行為への挑戦の機会を与えるようには設計されていないということである。行為の剥奪、従って、フローの剥奪は、自由な創造の予知、自由な運動の予知、真の目標を探索し達成しようとする余地を排除するような成長環境が生み出したものであるに違いない。同時に、社会的価値が、子供の自分の行為についての解釈に影響し始める。何の具体的な成果ももたらさない努力は、時間の浪費という烙印を押され、子供は外発的報酬をもたらす課業に精出すようにのみ奨励される。リトル・リーグやピアノのレッスンは自分の技能に対する自信を子供に与えるためにではなく、これらの技能を観衆や聴衆にひけらかすために組織される。楽しさに対する我々の一般的な無知のゆえに、我々は彼らの成長を支える行為への挑戦の機会に子供たちが合致しているか否かを、十分時間をかけて確かめようとしない。
自分がガキのころは、もちろんファミコン大好きっ子ではあったが、かといって、その他の選択肢が存在しないわけじゃなかったよな。
山を駆け、川を泳ぎ、傷だらけになったことで、「本当にヤバイ」という限界を知ることができた。
いつからこんなに選択肢のない世の中になったのかわかんないが、現状ではまだ田舎の生活のほうが選択肢があるってことなんだろうか?
まあ、それも物騒な世の中になってるせいもあってダメなのかもしれんけど……
内発的報酬から来るフロー状態を知らない層に、そもそも「楽しい」ということをわからせること自体が不可能なのだろうか?
少なくとも、内発的報酬を得るためのフロー状態に必要な「バランスの取れたリスク」を、ただの面倒な作業と捕らえてしまうようでは、ちょっと難しいゲームは受けそうにないか……

July 20, 2006

「言霊の国」解体新書

体調悪いんで、とりとめもなく。

 「言霊(コトダマ)の国」解体新書 「言霊(コトダマ)の国」解体新書

中身はずいぶんと政治的な話なんで、ここではさらっとスルーな感じで。
個人的に同意する部分は多いけど、著者の解決法が日本で実現する可能性は、俺が死んで100年後とかでやっと10%とかいう感じじゃないかな。
んでまあ、著者の言いたいことの基礎にあるのが、「日本人は言葉に影響を受けすぎ」という部分。
で、そういう体質だから(以下、政治的お話)ということで「言霊依存症が良くない!」という風な展開になっている。
確かに無防備都市宣言なんかは「は?」と個人的に思ったりする……のだが話を戻そう。

まあ、実際、政治的な話を抜きにしても日本人は言葉が含む雰囲気全般に依存しているなと思う。
昔はことさら声がでかい声に依存していて、新聞がその代表だったわけが、次第にテレビへとシフトし、今はどうやらネットがその役目を引き受けているようだ。(単発のでかい声よりも、合唱の方に依存するようなったのは、SYNC的だなと思う(笑))
基本的に言ったことに対する責任というものを深く受け止めてるからだろうとは思うが、言われてたこと=現実への妄信度が高いだけでなく、言わないが思わせぶりなこと(不文律とかそういうのも含む)に対する配慮の重要性とか、言ったニュアンスによる内容の逆解釈(ツンデレw)を楽しんだりと、良くも悪くも依存度は高い。

で、その良い部分に秀でたのが日本の創作の良さでもある。
アメコミとか読んだことがある人ならわかるだろうが、日本のマンガの心象風景の多さは異常だ。
むしろ心象風景が無くても、あるように読んでしまうぐらいの異常性だろう(笑)
言い方は悪いが、ちゃんと立ったキャラを喋らせてればそれで成り立つ風なのがすごい。(立ってないキャラが喋ってるだけだと倍返しで痛いが)

と思ってたんだが、「最近は悪い意味でそうでもないのか?」と思うこともしばしば。
TVバラエティーの字幕の多さとか、プレイする前の攻略本・攻略サイトとか、伏線系マンガの謎解き本とか、あらすじで読む古典文学とか……
ネタとかじゃなくて、マジなのが信じられんのは歳のせいかなぁ。
なんつーか、自前の胃酸で消化する前に胃薬飲んでる感があるんだよな(苦笑)
なんで、言霊依存症というよりは、単に消化不良&他人依存症がひどくなってるだけだと思う。
もっというと、単に自分の責任になるのは嫌だというだけなのかもしれんね。

July 12, 2006

複雑な世界、単純な法則

Civ4にかまけてたせいで、読了報告が遅れてた。orz

 複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線 複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線

「SYNC」つながりで買った本。
が、ぶっちゃけ「SYNC」を読めばこちらは不要という気がしなくもない。

SYNCSYNC

同期の伝播経路モデルを模索しているうちにスモールネットワークに到達したので、その部分についてもきっちりと説明されていたしね。

で、この本はスモールネットワークの部分に注目し、実際の例を出しながら解説してくれている。
なんだが、それなら、そのアルゴリズムをきっちりと説明してくれている本家「新ネットワーク思考」を先に読んだほうがいい。

 新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く 新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

ただ、「SYNC」にしても「新ネットワーク思考」にしても、きっちりと読み解いていくには時間がかかるし、そこまでの深い内容を求めない人には、この本がお勧めといえるだろう。
あと、個人的には最後のほうの経済におけるスモールネットワークについて、もっとページを割いて欲しかったし、結びつきの強さと弱さが全体に及ぼす影響のあたりを重点的に追って欲しかったかなぁ。

現実社会という強い結びつきでできたクラスターは、距離をすっ飛ばすかわりに現実感が薄いインターネットで接続されるようになったわけで。
地球上の社会全体が一つのスモールワールドと化していくことで、不平等さ――金持ちはより金持ちに――がより増していく可能性論について、きっちりと書かれている本があったら、それを読んでみたいところだ。

June 22, 2006

Sync

ようやっと読了。

SYNCSYNC

前回の続き。
さて、各種同期現象を振動の同期と捕らえることで、その法則を導き出そうとしていく著者だが、その同期の条件としていた、振動子の接続の仕方について話が進んでいく。
(一応、その前にカオス――カオス同士の同期やそれを利用したカオス暗号――の話が出てくるのだが、これは前回と同様な感じなのではしょる(笑))

今までは全体と接続しているか、全くランダムに接続していた各振動子が、実は「ある法則」で繋がっている場合で同期が発生するのではないか?という点。
そして、その「ある接続」というのが、

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

これかよ!(笑)
読んだのは9ヶ月前ほどだけど、かなりインパクトのある本だったので、鮮明に覚えてたよ。
んでまあ、スケール・フリーにしたがって接続されていることで、同期がおきやすくなっているらしいというところ。(証明はできていない模様)
スケール・フリーは接続数は抑え目に、だが、各ノード間のホップ数を飛躍的に下げる効率的な接続なので、各振動子同士が同期を取りやすくなるという考えは、直感的に納得できる。

このスケール・フリー・ネットワーク(スモールワールド問題)を踏まえたうえで、「ヒトと同期」の話に入る。
具体的には「流行」や「交通渋滞」「拍手」といった社会的現象から、「ポケモンによるてんかん事件」や「脳における認識」がニューロンの同期による現象であるらしいといったところまで、足早にだがまとめられている。

結びでは、まだまだこの「同期」という現象が”これから”の領域であるが、その範囲はかなり広いものになるだろうということで締めているわけだが、考える脳 考えるコンピューターにおける、シーケンスによる認識のことなんかも、この「同期」のパターンに近いだろうなと思う。

んでまあ、読後にそのようなことをつらつらと考えていたのだが、インターネットという接続媒体を得た人間は、確かに同期現象――この場合は社会的同期――に安易に陥りやすくなっているような気はする。
当たり前だが、ネットなしで生活してきた時とは比べ物にならないくらい、他の振動子からの影響(情報)にさらされ、自身の振動をそれに合わせて調整しつづけている感じだ。
「同期を取らないことに対しての許容度」自体も同期していないと気がすまない、というようなネストの鶏卵問題になっているのでは? とPSスレの「相手BaseのGEN破壊はどの程度まで是か非か」論争を見て思ったりした(笑)

June 08, 2006

SYNC (読書中)

ちと、読み応えありすぎなんで、途中メモ。
Sync Sync Sync

SYNCSYNC

  • 同期現象について
    • 周期的運動を持つ物体が、近くにある同じく周期的運動を持つ物体に影響を与える場合、その二つの周期的運動は一定の条件を満たすと次第に同期する
    • 周期が似ている、物同士が近い、といった条件
    • この同期が連鎖的に発生する場合、影響範囲内の全ての物体の周期が同期する
  • 生体の同期
    • 蛍の同期発光はお互いの蛍がそれぞれの発光によって周期が等しくなるためである
    • 人間の諸行動にも同期現象が見られる
    • 人間の時間周期は一般的に24.7時間で、24時間ではない
    • この時間周期は体温などと同期している
    • 視床下部には人間のマスタークロックがあり、視覚とは関係なく、メラニンの反応でクロックを調整している
  • 同期と諸科学
    • 時計は時計以外の振動と同期してしまうことで、その正確さを失っていたが、摩擦を限りなく0に近づけて振動を断つことで精度を上げた
    • レーザーとは同期する光波のことである
    • 発電所は交流電流を発生するゆえに、発電所同士の接続が発電機同士の同期を生む(だからこそ、アメリカの大停電が発生した)
    • 月がいつも地球にたいして同じ面を向けるのは、双方の間にある重力がお互いの正面を引き合い、遠心力がお互いの背面を離し合うからである
    • 超伝導とは、絶対零度に近づくことで速度が固定化していく量子が、不確定性理論によって位置が不確定となり、この不確定となった量子が同期することで発生する抵抗0の状態である

とりあえず、ここまで……

May 30, 2006

生物から見た世界

誰もが皆、環世界の住人。

生物から見た世界岩波文庫生物から見た世界岩波文庫

基礎っぽいところに入ってみようと思って読んだのだが、これがなかなか奥が深い感じ。
生物が認識する範囲を探っていくことで、その生物にとっての世界とはどういうものなのかを調べるため、生物ごとの環世界――個々の認識範囲だけが現実である世界――を実験結果とともに特定していく手法は、わかりやすくて純粋に面白かった。

生物ごとの環世界が違うだろうということはさほど驚きでもなかったが、その環世界に流れる時間までもが違っているという著者の指摘は、至極当然なんだろうけども驚き。
人間はいわゆる60fpsが認識時間の最小単位とされているのだけれど、高速に動く獲物を主食とする生物ではもっとfpsが高いらしいし、低速のものしか捕らえない生物ではfpsが低いらしい。
要するに種ごとの相対性理論が存在しており、よって時間の経過も違うのだろう。
人間という種において、それぞれの時間の流れの差はほとんどないんだろうけど、自分なんかはあきらかにfps低いよなと思う(笑)

あと、最後の章で「同じ主体が異なる環世界で客体となる場合」について述べられているのが興味深い。
同じ一本の柏の木が、きつねにとって、ふくろうにとって、アリにとって、カミキリムシにとって、ヒメバチにとって、それぞれ違う存在であるという、これまた当然のことなんだけれど。
人間同士の微妙な環世界の違い=価値観の違いって奴かな。
「その環世界の違いをどうやって把握するか? 把握した差をどうするのか?」ということが、「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」なのだろう(笑)

May 26, 2006

フューチャー・オブ・ワーク

「調整と育成」の木構造。

フューチャー・オブ・ワークHarvard business school pressフューチャー・オブ・ワーク Harvard business school press

いわゆるマネジメント系ビジネス書に当たると思うんだが、そういう観点で読まずに楽しめた。
著者曰く、情報伝達コストが劇的に下がった今だからこそ、個々それぞれのビジョンを共有するほうがモチベーションも上がって、良いものが作れるはずだというあたりか。
しかし、従来型のトップダウン命令&管理がまったくダメと言っているわけではなく、その状況に応じて、段階的にいくつかの形態を取るべきだろうと述べている。
完全な階層制→緩やかな階層制→民主制→マーケットと集中型から分散型への段階があるのだけれど、それぞれの段階で上手く行った例・下手を打った例をしっかり取り上げている。
取り上げているところがイーベイだったりIBMだったりMicrosoftだったりするあたりも、個人的にわかりやすくて良かった。(ちなみに帯にはGoogleCEOの推薦文が入っている(笑))

で、もちろん、最終的には分散型を勧めているのではあるが、その前提として必須となる項目についても触れられてる。
それは「透明性」であったり「個人の自己管理能力」であったり「執着心の破棄」と、なかなか"すちゃらか系人間"には手厳しい条件だ(苦笑)
ただ、そこまで読んで思ったのだが、結局のところ「個人の自己管理能力」っていうやつは、自分の自分に対する「透明性」や「執着心の破棄」とも言えるんじゃないかな。
自分の中に住んでいる何人かの自分(性格/欲求/選択肢)に対し、お互いが透明性を持つことでビジョンを共有し、執着心に固執せずにいる必要はありそうだ。
つまり、自己管理能力とは複数の自分を調整&育成する能力で、そのそれぞれの自分もまた自分自身を自己管理するという……以下略(笑)
ただまあ、トップダウン型の自己管理も、そのトップが素晴らしいときは抜群でもあるし、やっぱり状況によるってところなんかねぇ……(世の天才芸術家とかには、そういう人が多そうだ(笑))

May 23, 2006

神道用語の基礎知識

変な本も読んでたり。

神道用語の基礎知識角川選書神道用語の基礎知識 角川選書

「日本神話、神々、神社、神道史、祭りなど、現代の視点で神道用語を解説した事典」ってことで、ざくざく読み進めた。
神話と呼ばれるお話はどこの地域も似たような話が多いのだけど、微妙に違ってるあたりが面白い。
神話の生い立ちはその時代の為政者の作為が大きいのだけれど、その狙ってる方向性―人としての本質への訴えかけ―は近いにも関わらず、展開の仕方とか登場人物の台詞が違う―民族性に適したアプローチ―のは興味深い。
で、だいたいの神話がエロいんだが、これが宗教っぽいところに絡んでくると、妙に禁欲的になっていまいちなんだよねー(爆)

May 18, 2006

町田健のたのしい言語学

こっち先に読むべきだったね。orz

町田健のたのしい言語学町田健のたのしい言語学

先に読んだ「記号論への招待」の前半部分を丁寧にわかりやすく説明している本。
というわけで『招待』と書かれている新書より、こっちを先に読んでおくべきだった。

最終章「言語学と情報処理」という章があって、ここが個人的にメインかなと思ったんだが、基本的な形態素解析の手順を追ってみたというところかな。
最後の最後に、「結局、状況によって文意の捉え方も変わるんで、その辺を考慮するとまだまだだね」という感じなのだが、逆に言語学の突破点としても情報処理による解析(エキスパートシステム)の完成は望まれることらしい。

あと「状況」のあたりを読んでて、

状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加

のことを思い出した。
最初から完璧なものができないのは当然なんだけど、それをどう「状況」で「学習」させるかが肝なのかもしれない。
その「学習」も「自己学習」でないと、ちゃんと「学んだ」ことにならないんだよな。

May 11, 2006

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方

さくっと。

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方光文社新書99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方光文社新書

基本的には、「反証可能性」が存在するもののみが科学であるというスタンスで書かれているのだが、だからこそ「科学における仮説はいつなんどき覆るかわからないんだよ」という話を中心に据えている。
そこから著者は科学の範囲を超えて、常識というものについても「思い込みで判断しないための考え方」というところに持っていっている。

さすがに日々の常識はかなり思い込みで判断してるし、そうしないと生きづらい世の中なんだけど、できるだけ相対的に捉えるべきという点は理解できる。
もちろん、自分が信じる仮説(この場合は常識・方法・理論)に対し、自身で事実を積みあげて行くことを否定はしないし、それによってその仮説の有用度が上がるのはいい事だと思う。
が、それがいかに「自分にとっては有効な仮説であるかを認識してこそだ」と思うわけで。(←というこの文も(ry)

最終的に著者は、間主観性というスタンスを推奨している。(もちろん、これは「100%の客観性が不可能」なため)
平たくいうと「相手の立場になって考える」という奴で、どうもたいていの日本人はこれを「お察しください」に取るようだが、個人的には「OK.お互いの仮説はわかった。じゃ、勝負だ」と行きたいところ。
なぜなら、ゲームを遊ぶことだって、プレイヤーvs(他プレイヤーorクリエイター)の仮説の勝負の繰り返しなのだから(笑)
そして、自身の仮説がいつもいつも前に見た仮設のコピペ改変程度じゃ、相手プレイヤーに失礼だと思いたい。
そう思うからこそ、日々、「何か面白いネタないかねー」と妄想しているわけだ(笑)

May 09, 2006

記号論への招待

疲れた。orz

記号論への招待岩波新書記号論への招待岩波新書

ぶっちゃけ、自分に基礎知識がないことを痛感した。
読み進めるための理解が浅くて、ホント、三歩進んで二歩下がる感じ。
タイトルに招待とかかれて入るものの、記号論の基礎的な知識がないと苦労するので、先に別のもっとわかりやすい本を読んでおいたほうがいいのかもしれない。

で、やっと読み終えて、つたない理解をしたところで、「やっぱ、言語もシーケンスなのだな」と。
文字・会話それぞれ、最小単位への分解・解析→単位の連続性による意味の発生→意味の連続による文意の発生と、どの言語においてもこのシーケンスは人類共通のようだ。
先に読んだ「考える脳 考えるコンピューター」では、脳の新皮質による個々の解析が、何層かの木構造をさかのぼっていくことで連続性を認識し、そこに意味・思考を生むという話だったわけだが、これに近い感じがする。

そう考えると「考えるコンピュータ」には、人間の解釈が挟まるのは間違いなんでは?と思えてきた。
文章→人間の解釈による区切り(文法?)→コンピュータの解釈
だと、人間の解釈による区切りの時点で、いろいろと情報が欠落してる気がする。
文章→コンピュータの解釈による区切り(2進?)→コンピュータの解釈
のほうが、コンピュータにとっては正しいような気が。
ただまあ、そのコンピュータにとって正しい解釈とやらも、高級言語で書かれている時点で意味があるのかといわれると……(笑)

March 28, 2006

考える脳 考えるコンピューター

makube氏お勧め。

考える脳 考えるコンピューター考える脳 考えるコンピューター

やっとこ読了。ボリュームあって大変だった。

大きく二つに分けて「前半は脳がどのように現実を認識しているか?」というあたり。
著者の主張としては、脳が現実を予測し、それを実行確認しているというステップが常時行われているよ、ということらしい。
つまり、既に脳にある記憶が、今行っている行動の一歩先を予測し、実行し、確認し、……という繰り返しだという話だ。
それは、意識しているレベルの行動だけでなく、無意識レベルの行動でもそうで、たとえばもう一段あるはずの階段がなかったときなどの喪失感や、止まっているエレベータを上り下りする不自然さは、これら蓄積している記憶との齟齬から発生してると考えると、なるほど納得がいく。
(MindHackのネタはたいていこれに当てはまる気がする(笑))

「では、その記憶はどこに蓄積されているのか?」だが、それが中盤~後半。
前半から一応、脳の新皮質は多分木(木構造)的な階層構造で形成され、そこに記憶=知識があるということを著者は言っているのだが、その各ノードの役割として、
  • 入ってきた情報の分別
  • 分配のシーケンスの抽出
  • 抽出されたシーケンスの記憶
の三つがあり、だからこそ瞬時にあいまいなものも認識できるというのがポイントらしい。
新皮質は、感覚神経から入ってきた情報をまず何かしら分別する。これによって、個々のInputにまず単独の印がつく。
そして、次々入ってくるこの情報を一連のシーケンスとして認識するのである。そのシーケンス自体の長さはそれぞれ差があるらしい。
加えて、そのシーケンスを記憶し、知識とするという行動が行われているという展開だ。
ノードが分配してシーケンス化した情報は、親のノードに情報として送られ、その親はまた同様の処理を行って(つまり、複数のシーケンスをシーケンスとして捕らえて記憶し)、さらに親に送る。
新皮質の六層をこのように情報が駆け上がることで、上位層では意味レベルに情報が解釈されるらしい。
で、終点のルートノードが海馬であり、最終問い合わせ機関であろうという話だが、この辺はまだ謎が多い、と。
このルートを逆に駆け下りることで、実際の人間としての行動が行われ、また、行われることでシーケンスが記憶されていくという双方向な仕組みだ。

ポイントとしては、分別の際にはある程度のあいまいさがはしょられるという点、そのはしょられ方は今まで記憶されたシーケンスを元にしている点、だ。
過去の記憶として、AABBCCを持っている場合、AABBCと来たら、次はCだろうという予測を立て、実際にCであることがほとんどだし、判別が微妙ならCにしとくらしい。逆にZが来ると、「おおっ?」ということになる。
そして、この「おおっ?」を意図的に発生させることが、応用力や創造性ということになる。普通はありえなさそうなシーケンスを、なんらかの記憶から応用することで生成してしまうのが、人間的な知能の最たるところでもある。
そう考えると、無駄な知識というのも、言うほど無駄ではないのではないか?と(笑)

終盤では、この理屈でコンピュータも知能を持てるはずという方向で進んではいるが、人間と同じ知能を持つには、人間と同じ五感を持つ必要があり、それはおそらく不可能だろうというのが著者の意見。
ただ、用途に機能特化したコンピュータ知能というのは、そう遠くない未来に実現でき、それはきっと人間を助けてくれる存在になるはずだということで〆ている。
実際、最近の検索システムは、「単語のサーチ」ではなく「質問への答え」というエージェント的発想も入ってきているわけで、これなんかまさに知能を必要とする部類だろう。
それに、知能のある翻訳システムなんかが出てきてくれれば洋ゲーやるのも楽になる、いやいや、そもそも完全なリージョンフリーになるはずだ(笑)

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March 16, 2006

集中力

こっちのほうが好きだなー。

集中力角川oneテーマ21 (C-3)集中力角川oneテーマ21 (C-3)

羽生三冠(最近、一つ落としたらしい)の「決断力」を読んだあと、書店で見かけたので買った。
初版は5年も前の本で、今頃買って読んでる自体、俺の集中力の無さが……orz

俺が中学~高校ぐらいのころは、ホントに谷川時代とも言えるぐらいだったわけだが、その後~今現在にかけての苦しみようも書かれており、割と凹み期間・文章が少ない羽生三冠の「決断力」に比べて、ずしっとくる内容。
特に自身の感情に振り回されることでのスランプを数度経験しているくだりは、「天才でも悩むのだな」と。
ただ、最後まで読んでみて改めて「谷川九段は努力の天才なのだろうな」と感じたり。

第一部の今までの棋士人生の振り返りも面白いのだが、第二部で語られる各能力の谷川的磨き方も興味深い。
たいていは「そうだよなー」な感じだが、「あー」と思ったのが、
記憶力を良くするには、まず、記憶しようと思うことだ。たとえば、メモや手帳に頼りきっていないだろうか。
これ(苦笑)
もちろん、大事なことは当然メモするべきだと続いているのだが、何でもかんでもメモに頼ってると、覚えようという気が無くなってしまい、記憶力がどんどん悪くなる、と。
いや、ホント、メモ魔の俺にとっては耳に痛い言葉だ。orz

March 14, 2006

ウェブ進化論

「Web2.0」って言葉が大嫌いだ。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まるちくま新書ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まるちくま新書

流行ってるらしいので読んでみた。
いわゆるまとめ本って感じか。近頃流行のWeb2.0系なアレ(笑)について、簡素でわかりやすい解説とその作用/有効性について書かれており、「ネットは知ってるが、難しいことはわからん」というあたりの層にお勧めしたい本。
ただまあ、逆にうちの父親のようにネットが何かすらもさっぱりな人間にはまったく意味がないだろうし、すでにWeb2.0(苦笑)を知ってる人間には現状確認の書といった程度だろうか。

個人的には終章とあとがきを読むだけで十分かなという気はする。
特に今の段階でWeb2.0がどうとかわからなくても、一消費者として特に問題があるわけではない。「使いやすく、安全だから使う」だけだし。
でまあ、逆に生産者側であっても「自分が消費者側ならこう思う」ということをしっかりと理解しとけば、あとは「より個々の人・コミュニティー・層に最適化できるような仕組みの可能性」を大きく広く持つことが重要だよね、ってあたりだ。

ただまあ、現状の日本のWeb2.0を称するサービスって、「正直、どうかなぁ?」と思う部分は多い。
アイデアの時点で既存にない革新的な事ってのは、やはりアメリカが発祥になっており、その後追いで精一杯で、追いつけてるかどうかも微妙だ。(もしかしたら、引き離されてる?)
著者の梅田氏が非常勤取締役になってる「はてな」に期待すべきなんだろうけれど、俺自身、サーバーの重さとUIのへたれ加減に嫌気が差して、deliciousやBloglinesに移っちゃったからなぁ。

March 07, 2006

決断力

積読してたの思い出した。


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Amazonのカスタマー・レビューを見てもらえばいいかなと。
☆5つつくのもわかる内容だし、将棋のことを知ってるといろいろと笑えるん(有名棋士の実話とか)で、さらに楽しめるかと。

んでまあ、なんで思い出したかというと、録画溜めてたNHK杯将棋トーナメントを消化したから……(笑)
たまたま、最初に見たのが羽生四冠vs谷川九段の準々決勝戦(しかも解説が中原永世十段)で、これがまた最初から最後まで到底理解できないレベルの試合だった。
先手羽生に対し、後手谷川の振り飛車で向かい飛車になったんだが、どちらも中盤まで飛車先の歩を突かないという展開……
お互いが美濃囲い→銀冠→銀冠穴熊の様相を呈しつつ、うまく角銀で2~4筋を優勢に運んだ羽生に対し、5~7筋を厳しく責める谷川だったが、惜しいところで歩切れになり攻めきれず。
結局は羽生の勝利に終わったのだが、歩切れを見切っての紙一重の受けとか、攻め手と受け手の両方を指し続ける展開がもう……見直しても理解不能だ……orz

March 02, 2006

Mind Hacks

これはおもろい。


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オライリー本らしくないが、読むと「ああ、オライリー本」だなーと。
人間の体自体をHackしてみようという試みを、各器官と機能に分けて行っており、その内容はいわゆる「盲点」の話や、「サブリミナル」「フラシーボ」といった聞き覚えのあることも入っている。
特に認識や注意・記憶といったあたりのHackは非常に面白く、アクションゲーマーなら「あー、なるほどなー」と思う部分も多いはず。

以前、エントリーに書いた、

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マインド・タイムとの関係もちらほらとあったのも興味深かった。

January 23, 2006

人を10分ひきつける話す力

雑食。もとい、雑読。


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ざっくりと読んでみたら、読み終わってしまった。
ポイントとしては、
  • ネタを日常的に前仕込みしておくことが重要
  • ネタに関係の薄いことをダラダラ話さない
  • ネタとネタのつなぎがスムーズに行くように並列に思考する

こんなとこか?
できるわけじゃないけど基本なんだろうね。

January 18, 2006

マインド・タイム 読了

随分と時間があいたが、前回はこちら


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さて、
意識して行う動作の前にすでに無意識による動作が初動している。

とした前半から引き続き、後半は「自由意志も意思として思った前から無意識で始まってるよ」という内容から始まる。
すなわち「人間は生物としての反応のみで生きており、自由意志が存在しないことになるじゃないか!」というのが、ストレートに想像される展開なのだが、著者はここでもしっかりと実験を踏まえた上で、「動作を抑制する意志」は無意識が生まれることなく行われていることを突き止めている。
すなわち、「動作を抑制する意志」に関しては前半部に述べた無意識発動を伴なっていないので、これが人間の自由意志であろうということだ。


前回エントリーをならって例えるなら、
角を曲がったら歩兵に出くわしたので無意識初動としてマウスをクリックしようとしたのだが、その無意識は意志によって止めることができ、結果として500ms後には「打たな……くていいか」という意識が500ms巻き戻った時間に起こったように発生する。

こんな感じかな。


では、人間の意志とはどこに存在するのか?何がそうさせているのか?については、著者は脳の各器官全体が作り上げる「意識を伴う精神場」があるのだとしている。
だとすると、脳の各器官→意識を伴う精神場→脳の各器官→……という事実認識のフィードバックを含んだフロー構造にて人間は意識・意志を成長させていくのであろう。
この「意識を伴う精神場」については、実証についての方法を挙げるところまでで終わっており、実際の検証は行われていない。
が、「なるほど、確かに」という部分も大きい。
いわゆる「素振り百回」は手足の運動から脳器官に伝わり、意識を伴う精神場の構成要素となっていくわけで、それによって精神場はより抑制のバリエーションを持つことができるだろう。
実際に「素振り百回」が不可能であっても、イメージトレーニングも同様に精神場を熟成させていくはずだ。

そう考えてみると、日本人はかなり保守的であるがゆえに、繰り返しが主となる緻密な技術においてはその卓越した精神場を持って成功することが多いが、食わず嫌い的な性質によって完全に別の未知なor突飛なorユニークなことを思いつくことには欠ける面があるのも頷けるというものだ。

まあ、難しい話はおいとくとしても、ゲームを上手くなるには繰り返しプレイするか、プレイできないならイメージトレーニングしろ、ってことだな(笑)

December 29, 2005

マインド・タイム

読書もしてますよっと(笑)
まだ前半だけど、いろいろとパンクしそうなので、メモがわり。


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帯の「人は実は<遅れて>生きている」ってのが気になったので買ったわけだが、激しく当たりだった模様。
前半部分の内容をざっくりとまとめると、
刺激を起こした場合、それを意識として捕らえるのは知覚神経からの入力からおよそ500ms後になる。
が、その意識の内容は知覚が起こった時間、つまり500ms前に時間を巻き戻した状態として捉えられている。

という感じかな。
なるほど、意識としてある自分は常に500ms遅れているが、その内容を500ms巻き戻して認識しているわけだから、常に遅れて生きていることになる。
では、意識しないこと、無意識については、知覚神経の入力から100msぐらいで反応しているらしいのだが、これがまた難解というか、

意識して行う動作の前にすでに無意識による動作が初動している。

とのこと。ようするに、

角を曲がったら歩兵に出くわしたので「打たないと!」と思ったのは、出くわした500ms後なのだが、実際にマウスをクリックしてるのは出くわした100ms後

ということらしい。
「打たないと!」と思ったのが500ms後で、打った瞬間よりも遅れてるわけだが、内容自体を500ms巻き戻して「出くわした瞬間に思った」ことに書き換えているので、矛盾が起きてないわけだ。
で、人間が生活していく上で、いちいち全ての出来事が無意識→意識に転換されてたらやっていけないので、重要じゃないことはフィルタリングしてはねている、と。
後半は「自由意志も意思として思った前から無意識で始まってるよ」という内容になるが、更にややこしいのでじっくり読むことにする。


前半もかなり難解(俺にとっては)だったんだけど、アクションゲームで集中力が発揮できてる瞬間って「俺、画面見てゲームしてない気がする」と思ったのはこういうことか。
徐々に難易度が上がってくるアクションゲームなんかで、いちいち画面把握&入力動作を意識してたらやってられんしなぁ……

そう考えると、100ms以下のモーション(60fpsで6コマ、30fpsで3コマ)で攻撃発生→被弾するゲームって、気付いても避けられないんだな、普通は。
逆に500ms以上のモーション(60fpsで30コマ、30fpsで15コマ)が付いてれば、初心者でもそれなりに遊べるってことか?

September 22, 2005

経済学という教養

しばらく前に読了。


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『「人文系ヘタレ中流インテリ」に捧ぐ』という帯は素晴らしく的確だと思った。
著者自身、あまり経済学に本格的には踏み込んでいない(経済学部卒程度)ということで、そのあたりの知識ベースから、現状の経済・構造改革主義などを考えつつ、「じゃあ、はたして経済学ってどれがいいのよ?」という問いには曖昧な答えしか出してないあたりが良い(笑)

ポストモダン哲学にうつつを抜かして現状批判&生産性0な連中(著者含む)への痛烈な批判(というか、現実直視)は読んでて笑えたし、私自身が社会に出てから縁の無い「労働組合」という代物について、過去から現在へとたどりつつ、その存在意義を考えるくだりは特に面白い。

結論、「経済学とか言ってみたかった」人にはお薦めの本である(笑)

September 20, 2005

また整理

ダンボール一箱を実家へ。


Amazonから注文するようになって、格段にハードカバー買うようになってしまった。orz
たいていは雑学関係の本と技術書なんだけど。
技術書はもう古くて使えないものは送り返すわけだが、たいていはまだまだ現役なので何とか整理してやりくりしている。
古い技術書に混じって、小説、経済学・心理学・哲学とかの雑多な本を送り返したのだが、「何を血迷ってるのか」と親に思われないか、けっこう不安だ……

September 06, 2005

新ネットワーク思想

読了。
フィギュア眺めてるばっかりじゃないよ、マジで(笑)


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面白かった~。
簡単に言うと、インターネットだけが題材というわけではなく、人と人が作る全てのネットワークに対して、ランダムではない、スケールフリーという方法論が適用される傾向にあることを説明した本。
軽くスケールフリーについての説明を抜粋しておくと、
A 成長 与えられた期間ごとに新しいノードを一つずつネットワークに付け加えてゆく。この手続きは、ネットワークは一度に一つだけノードを増やすという点を強調するものである。
B 優先的選択 新しいノードは既存のノードと二つのリンクで結ばれるものと仮定する。あるノードが選択される確率は、そのノードがすでに獲得しているリンク数に比例する。二つのノードから一つを選ぶ場合であれば、一方が他方より二倍多いリンクを持つなら、そのノードが選ばれる可能性は他方の二倍になる。

以上が抜粋。これだけの規則で、WWWのリンクからDNA、エイズの拡大経路に至るまでおおよその説明がついてしまうあたりがすごい。ってか怖い。
もちろん、もっとこまごまとした数的理論が出てくるが、その辺は興味があったら買って読んでみてくださいな。


んでまあ、続いて、

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を読んでいるので面白さ倍増か?(笑)

September 01, 2005

新ネットワーク思想

まだ読んでる途中だけど。


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なんか、ここ数年考えていたことが全部すっぱり解決した。

August 26, 2005

なぜあの人とは話が通じないのか?

引き続き、読了報告。


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人と人との話が通じない状態について、多方面から観察・考察し、その要点をまとめている本。といったところかな?

自分的には、現状ある人工知能(人工無能?)に対する違和感を探り当てるための一部になればと思って読んでみたが、たいていは「まあ、それは分かってたこと」という部分だった。
人同士の会話が実際には「言葉」だけでなく、「状況」というもので「言葉」の意味が変質することは、感覚的に誰もが知っていることだろう。

ちょいと興味深かったのは、「日本語」および「日本人」は外国に比べて、はるかに言葉以外へのコミュニケーション手法に対しての依存度が高いという点。
確かに日本では、「行間を読め」とか「空気を読め」とか「察しろ」という会話文化が根強く残っており、それゆえにネット上での揉め事もそこの温度差によって生じることが多い。
ゆえに、「聞こうという姿勢」「理解しようという姿勢」が、上記のような「察する」会話文化において重要視され、常識とか倫理とか道徳という場所に位置されるのであろう。

まあ、そもそも論として、基本的に文節が過不足&曖昧でも意を測れてしまう日本語ってコンピュータ処理しづらいものだけどな(笑)

August 25, 2005

マインド・ワイド・オープン

たまには真面目な本も読みますよ?


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「脳」が果たしてどのように「意識」と関係しているのかについて、著者自らが被検体となりながら、その関連性を調べてみた本。
一見、関連性のないただの風景といったものが、過去の事故との関連を元に、「意識」として、恐怖を与えるといった脳の行動など、中々に興味深い結果が多く、また著者のそれに対する考え方にも共感が持てる。
特に、人間が普段30%程度しか脳を使っていないことに対し、「100%使ってしまう方が非効率な結果になる」という話が面白かった。
どこぞの教授がゲーム脳などと騒いでいるが、物事に集中するということは、その物事に本当に必要な部分の脳だけが活性化し、その他のノイズとなってしまう機能は遮断され、休眠するのは当然のことだろう。

以降、SFで「脳を100%機能させる」ネタ禁止。
まあ、残りの70%の機能を30%の機能に変質できるというような前置きがあれば良しとしとくか(笑)

March 31, 2005

遊びと人間 (4)

ご無沙汰だーよ。
前回までのエントリーはこっち。
遊びと人間(3)
遊びと人間(2)
遊びと人間(1)


関係ないけど
オンラインゲームで武器窃盗→刺殺 中国 from X51.org
本人にとっては、ホントに頭に来てたんだろうな。
かなりどうかと思うわけだけど。

さて、4章では「遊びと堕落」について書かれている。
「堕落」とは何か?
それは、遊び自体の破壊、すなわち決められているルールを破壊し、遊びを現実世界に引き戻す行為である。
例えば、サッカーで手を使い始めたり、丁半博打でイカサマサイを使ったり、演劇にて関係の無いセリフを唐突に語り始めたり、etcetc...
遊びの瞬間におけるプレイヤーの公平性や協調性を逸脱する行為や現実世界へと引き戻す行為を「堕落」と位置付けている。
そもそも遊び自体がルールによってそれらを否定しているが、この否定をまったく無視して思うが侭にゲームそのものを破壊することが可能だ。
なぜなら、それは法律でもなんでもなく、ただの「遊び」だからだ。

著者は遊びが一般的に破壊衝動を満たすものであることも十分理解しており、「遊びを破壊する行為そのものが、その破壊者にとっては遊びである」ことも十分に承知している。
時に人間は背徳的行為に対して、非常に魅惑を感じることも確かだ。

では「なぜにこの背徳的行為を行うか?」だが、純粋な破壊衝動もさることながら、このルール違反がバレなかった時の優位性も十分に魅力として挙げられる。
昨今のMMOにチートやBOT、RMTといった行為が無くならないように、また、コンシューマにおいてPARやMODチップが無くならないように、人はいつでも誰かに対して優位に立つことに憧れを抱いているとも思える。
そして同時に「誰かに優位に立たれる」ことを激しく嫌う。

冒頭の武器を貸したらさっくりRMTされてしまった男だが、彼にとってその武器はゲーム内で確実に彼自身の優位性を補償してくれるものだったんだろう。
それを9万円(中国だとかなりの大金になるはずだが)で売られてしまったわけで、最初に「堕落」したのは被害者である。
そして、それをまた現実で報復したことは、彼自身も「堕落」しているわけだ。

最初のエントリーの時にも書いたが、著者は序章でこう言っている。
たしかに、遊びは勝とうという意欲を前提としている。禁止行為を守りつつ、自己の持てる力を最大限に発揮しようとするものだ。しかし、もっと大事なことは、礼儀において敵に立ちまさり、原則として敵を信頼し、敵意なしに敵と戦うことである。さらにまた、思いがけない敗北、不運、宿命といったものをあらかじめ覚悟し、怒ったり自棄になったりせずに、敗北を感受することである。立腹したり愚痴を言ったりする人は、信用を落としてしまう。実際、ゲームが再開されるときは、これはまったくの新規撒きなおしなのだし、何がだめになったわけでもないのだ。だから遊戯者は、相手を咎めたり自分に失望したりするのではなく、いっそうの努力をするのがいいのである。

ゲームはゲームの中で必死になるべきであって、それを現実へ持ち出して堕落すべきではない。

March 12, 2005

「わからない」という方法

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人間、特に日本人は「わからない」ということを恥とする文化なのだけれど、むしろ「『俺はわかっていない』ということをわかり、『何がわからないか』をわかる」ことが重要なんだという本。

主に、著者の実体験をもとに「恥ずかしがらずに『何がわからないのか?』を突き詰め、聞くなり調べるなりで理解して頑張ればいいんだよ」という内容になっている。

実際、こういう境地にたどり着くまでが結構難しいんだよなー。
俺自身、「うーん、このコード、よくわかんね」とか多いし。
そのたびに「多分、ここを理解してないな」までは到達して、後は聞くなり調べるなりしてなんとかぎりぎりでクリアしてく方なんだが、それでも「ホントに全部がさっぱりわからん!」な瞬間ってあるし……(苦笑)

March 07, 2005

遊びと人間 (3)

以下の続き。
遊びと人間(1)
遊びと人間(2)


さて、第二章は分類についてだ。
著者は遊びを以下の4つに分類している。
  • アゴン……競争
  • アレア……運
  • ミミクリ……模倣
  • イリンクス……眩暈

競争・運はわかりやすいと思う。それぞれ、サッカーであったり、賭け事であったりだ。
模倣というのは、いわゆる「ごっこ遊び」だ。
イリンクスはメリーゴーランドやぶらんこといった、身体的倒錯を楽しむ遊びである。
無論、どれか一つのみに属するというわけではなく複合的に属する遊びもあるわけだし、また、一つが他の一つを呼ぶこともある(競馬というアゴンに、賭け事であるアレアが派生するように)


続けて、第三章では遊びと社会性についてふれられている。
およそ「個人での遊び」も、それが技を競い合うアゴンになったり、観客に対してアピールするミミクリになったりと、本質的に孤独ではありえない。
スクウェア・エニックスの偉い人が言った事はわりと正論なのだろう。
ただ、それで「コンテンツが半透明」になって良いのか?って話は別だと思うのだが。
製作スタッフがユーザー間のコミュニティー形成を考えるのは、別段普通の話であって、だからこそ実体のしっかりしたシステムなりストーリーなりを寝ずに考えてると思うんだけどな……
実際、半透明でいいんなら、UCGOなり銀英伝VIIはまだまだ盛況のはずなのだが(苦笑)

March 01, 2005

遊びと人間 (2)

読み返しつつ。


前回のエントリーの引用は序章で、軽く「遊び」がどういうものかについて書かれたところだった。
ざっくりとした序章だが、遊びが持ちうる長所・短所にふれ、それらがあるからこそ「遊び」であるという点がメインだったわけだ。

第一章は定義について書かれており、以下の特性を挙げている。
  1. 自由な活動…遊戯者が強制されないこと。もし強制されれば、遊びはたちまち魅力的な愉快な楽しみという性質を失ってしまう。
  2. 隔離された活動…あらかじめ決められた明確な空間と時間の範囲内に制限されていること。
  3. 未確定の活動…ゲーム展開が決定されていたり、先に結果がわかっていたりしてはならない。創意の必要性があるのだから、ある種の自由が必ず遊戯者の側に残されていなくてはならない。
  4. 非生産的活動…財産も富も、いかなる種類の新要素も作り出さないこと。遊戯者間での所有権の移動をのぞいて、勝負開始時と同じ状態に帰着する。
  5. 規則のある活動…約束事に従う活動。この約束事は通常法規を停止し、一時的に新しい法を確立する。そしてこの法だけが通用する。
  6. 虚構の活動…日常生活と対比した場合、二次的な現実、または明白に非現実であるという特殊な意識を伴っていること。

以上、正直、今言われている「遊び」(主にコンピュータゲーム)とは随分違うわけで。
もちろん、この本のほうが正しいなんていうわけではないが、


スクウェア・エニックス和田氏が語る3つの事業戦略――「DQVIII」もコミュニティーを前提に作られた?

こういうの見ると、もはや「遊び」じゃなくなってるよな、実際。
えらい目にあう、とは何のことなのか?これに対して和田氏は、文化的課題として「ネット社会における社会規範」の作成を挙げた。規制ではなく、規範。例えば道で会ったら挨拶しましょう、ゴミがあったら拾いましょう、といった「当たり前のこと」を指す。

「なんで、「遊び」の中でそんな所まで気を使わなきゃならんのだ」と思うのは、俺が不道徳だからなんかな(苦笑)

February 24, 2005

遊びと人間 (1)

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とりあえず序章から引用
たしかに、遊びは勝とうという意欲を前提としている。禁止行為を守りつつ、自己の持てる力を最大限に発揮しようとするものだ。しかし、もっと大事なことは、礼儀において敵に立ちまさり、原則として敵を信頼し、敵意なしに敵と戦うことである。さらにまた、思いがけない敗北、不運、宿命といったものをあらかじめ覚悟し、怒ったり自棄になったりせずに、敗北を感受することである。立腹したり愚痴を言ったりする人は、信用を落としてしまう。実際、ゲームが再開されるときは、これはまったくの新規撒きなおしなのだし、何がだめになったわけでもないのだ。だから遊戯者は、相手を咎めたり自分に失望したりするのではなく、いっそうの努力をするのがいいのである。

バイブルに決定。
中身濃いので、読み返しつつ何回かに分けて感想書く予定。

February 16, 2005

一眼レフ本

そうだったのか!一眼レフ


とりあえず、この本を読めば一眼レフに関するほとんどの疑問は解決するかと。
内容はアサヒカメラの連載記事をまとめたものなので、それもあって非常にまとまっていて読みやすい。
実際、ずいぶん忘れてたことも思い出したし、最近のデジタル一眼レフに備わっている、「絞り優先AF」だとか最新機能がどういう装置なのかも理解しやすいし。

February 12, 2005

「子ども」のための哲学

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なかなか面白かった。

「俺っていったいなんだよ? 俺はこう思うのよ。どうよ?違う?え、わからない?いやいや、こういうことなんだからさー、理解してくれよ。ああ、理解できちゃったら、おかしいよな。でも、こうだと思ってるのよ、わからない?わからないよなー。わかってもらっちゃこまるし。っていうか、俺もわからん。でも、こうやってわからんどうし話合うってこと自体は良くね?」

そんな感じか。

January 26, 2005

秀真伝

お、重い……



つい欲しくなって買ってしまった。
秀真伝ならなんでも良かった。
今は後悔してない。

ちまちまと読み始めてますが、「なかきよ」の話とかあってびっくりですわ。
日本の古代神話としては、記紀(古事記・日本書紀)のみが正伝とされているわけで、この秀真伝は学会的には(?)ネタ本扱いされてる部類に入るのかな。
まあ、神話というものは多少ミステリアスな方が面白いと思うのですよ(笑)

December 27, 2004

神道 -SHINTO-

Amazonだと見つからないね、これ。


ふらっと本屋に行って、特に買うつもりのものも無く、ほわーっと本棚眺めてるのは楽しい。
読子たんほどではないが、まあビブリオマニアに近いんだろうな。
Amazonとかもお薦めを渡り歩いてて、気がつくとカートがやばいことになる。
あとから見て微妙なものはウィッシュリストに移したりとかで対処するんだけど。

で、ついつい買ったのが、「神道」という本。
シリーズ・世界の宗教ってののひとつらしい。
そいやイスラムとかヒンズーとか並んでたな。
で、面白いのは神道の本なんだが、著者が外人でそれを翻訳してある。逆輸入品?

内容的には、序盤に伊耶那岐命・伊耶那美命が天地創造しってところから、神武天皇のあたりまでの神話をかいつまんで説明。
中盤は神道が現在までの歴史でどのような立ち位置であったかについて。
終盤は神道の行事関係とか聖地聖域(?)についてが書かれている。
ざっくりとした本なので読み応えがあるというわけじゃないが、外人が書いてるだけあって、綺麗な第三者視点で見られているのがなかなか。

個人的にこの著者が第三者視点で見た著述で面白かったのは以下の三点。
  • 神道と仏教
  • 神道と西洋宗教
  • 神道と日本文化

神道と仏教については、「神道に生まれて仏教に死ぬ」っていうぐらいで、日本人的には両者ごっちゃ。
神道には死後の話は存在しないし、逆に仏教はそっちがメインだ。
著者も神道がたいていの宗教を取り込んでしまっているところに着目してて、まあそれが次の話にも関わるわけだが、多神教でかつ他の宗教との同居が可能というところが興味深い、と。
(仏教でも一部に一神教はあって、そことは同居してないということもちゃんと書かれてた(笑))

で、対して西洋の宗教はたいていが一神教&掛け持ち不可と厳しい。
なんだかんだ言いつつ、懐狭い感じがするのよな、個人的に。
ま、あがめる人たちの話であって、神様自体はそんなこと無いんだろうけど。
それと、神道は「幸福な宗教だ」と言われるらしい(笑)
ユダヤ・キリスト教なんかは、人間がそもそも穢れてるという状態からスタートして、贖罪することがメイン。
対して、神道は人は生まれた段階では素って感じだ。
で、清く正しく生きるのがよろしいかな、ってところ。
日本文化はこの「清く正しく生きる」が基盤なんだな、と著者は捕らえてる。

歴史的に見ても、神道は結構重要な役割を持ってて、まあいわゆる天皇崇拝から歴史がスタートしてて、飾りだった時代もあれど、二次大戦終戦までは政治と密着して基盤となっていた、と。
そういう大きいところじゃなくても、家に神棚があったりとか、祭等々の行事にしっかり参加するとか、そのへんも日本人らしい、らしい。
結局、日本は神道を基本にしたでっかい村社会がなりたってたわけで、それが変な方向に進んだのが二次大戦だ、と。
だが、そこで神道は政治から切り離され、庇護を失う。
普通ならそこで潰えてしまうはずなんだが、しっかりと残っている。なぜか?
それがもはや日本人の一部となってしまっているから、というのが著者の出した答えだ。
さもありなん、とは思う。
クリスマスやバレンタインに浮かれるわりには、きっちりと初詣をするし、というか、困った時に神社に神頼みに行く。
よくよく考えると日本人の最終的な信仰の対象って─本当に信じてるかどうかは別として─神道なんだよな、と思う。

ちと長くなりすぎたのでまとめというか、まとまってないけど。
著者的には神道=日本人らしい。
身の回りの全て&心の中に八百万の神を宿しているのが日本人で、だからこそ誠実・協調・感謝といった美徳に努める資質が備わっているんだ、と。

でもさ……最近はそうでもないような気がするよ。
神道っぽいもののかけらも無いとこまで、日本人の無神論度は上がったのかもな。

November 08, 2004

先週買った本

相変わらず漫画多し。


スティール・ボール・ラン
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3・4巻同時発売……間が空くからやめて欲しいんだけど。
内容は相変わらず充実してておもろい。
とうとうジョニーにスタンドがつきましたか……って地味だなー。
まあ、いわゆるACT1ってやつなんかな?

都立水商
ASIN:4091531067:image(Amazon画像待ち)
なんかちょっとだれてきた?
内容的にもいまいちになって来たような……
キャラが増えすぎて収集付かなくなりつつあるのかも。

リングにかけろ2
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フランス編終了。
懐かしいなぁ、デビル・プロポーズ。
しかしもう14巻なのか。
14巻というと、元祖リンかけなら世界大会序盤か影道一族終盤ぐらい?
とかんがえると、キン肉マンII世よりはテンポいいんだな。

実践ハイパフォーマンスMySQL
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お仕事でよく使うので購入。
config系チューニングからクエリーチューニング、マシンチューニングとMySQL全般のチューニングを広く網羅しているので助かる感じ。
少なくとも、忘れたことをいちちググらなくても済む価値はあるので良いですな。

日本神道史研究
神田古本市にて発見したので購入。
とりあえず序文読んでみた感じだと、それほど神話よりな話は無い模様。
というわけで、微妙に的外れなんで、さっくり読み終えたいところ。

一般言語学
同じく古本市にて購入。
言語そのものの性質・体系とその研究史が研究者とともに語られている感じ。
かなり古いみたいだけど、訳本ということもあって中身はしっかりしてそうなんで、じっくり読みますかね。

October 29, 2004

論理哲学論考

読了。


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October 19, 2004

読書中……

「ドラえもん・のび太の言語哲学」 電網山賊さん経由


ちょうど、
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読んでたのでツボだった。

September 18, 2004

今週買った本

のだめカンタービレ
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10巻でフランス編へ。
相変わらず、ぎゃぼーっとおもろい。
やっぱ、ぷりごろ太で言語をマスターしたか。
で、どうやら、黒木くんはそのうち出てきそうな伏線。
あとオクレール先生も出てくるんだろうな。

SchoolRumble (Amazonはまだ画像なし)
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6巻。本ストーリー全編体育祭。
なんでもいいが、ますますもって天満の意味が……っていうか烏丸は?
今回も高野さんはちょいのみでがっくりだ……

で、漫画ばっか買ってるわけじゃないよっと……多分。

Blog Hacks
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全然Blogとしての意識があって、ここをやってるわけじゃないが、せっかく使い勝手のあるシステムなのだからということで購入。
まあ、Hackするにはいろいろとモジュールぶっこまないといけないわけで、それはそれで管理してくれてる面子と相談しつつって感じで。
個人的に何か「こういう機能をつけよう」的な物はなし。
ぱらぱらっとこの本を見て、面白そうな機能があればつけてみる予定。

August 25, 2004

安心のファシズム

読了。
なんか、積読をスルーしましたが、そういうこともあるってことで。


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正直、もう少し深い本だと思ってたんで、拍子抜けの内容だったな、と。
中身自体は身近のネタを取り上げて、その是非をしっかり問おうという姿勢でかかれているので、「まあ、そりゃそうだよな」と納得する部分も多いんだけど、「もっと、こうすべきだ」の部分が無い。
これじゃ、愚痴本と言われてしまいかねない内容でもある。

筆者的には「最近の世相に対する警鐘を鳴らせればそれでOK」なんかなという気もするが、俺自身が基本的に「自論が無いのに、うだうだ言うなよ」というタイプなんで*1、やはり物足りなかった。

あと、ジャーナリストなんでしょうがないのかもしれないけど、新聞の記事を鵜呑みにしてるような部分があって、「え、それってそのまま信じちゃってるの? 自分で裏取りに行ってないの?」というのも。

ついでに、ふらーっとこの本の書評をGoogleで漁ってみたが、俺に近い人間が少しいる他は、ほとんど良書という絶賛が入ってて、「いや、それはそれでファシズムっぽくないか?」とかね。
まあ、俺が偏屈すぎと言われれば、そりゃそうかなとも思うわけだが。
  • *1: これが今風ファシズムなのかもなー

May 19, 2004

創発―蟻・脳・都市・ソフトウェアの自己組織化ネットワーク

ASIN:4797321075:image 読了。


個々がそれぞれの状況から判断した活動が自己組織化し、全体集団としてグローバルな創造を行なう現象について述べている本。

アリ・都市・脳・新しいプログラムコードといった各分野においての創発現象に著者がその大きな可能性を語っているわけだが、決して「何でもできるようになる」という大風呂敷なわけではなく、「創発というまったく違ったアプローチにより想像し得なかった見たことも無い結果を得られる」という方向にまとめている。
それは正しいと思うし、また創発が必ずしも良い方向に転ぶとは限らないことにも言及しているのだが、いかんせん「たいては良い方に転ぶ」という思いが強いように感じた。

そのあたりは訳者が巻末の注釈にフォローする形でかなりざっくばらんに突っ込んでいる(さすが曲者の山形浩生氏だなと思った(笑))
なんで、著者が現状のSimsOnlineの余りよろしくない状況をどう捉えているのかは結構知りたいところ。

人間社会のあり方についても、創発=ボトムアップとみなしているが、自分的にはトップダウンも創発なんじゃないかと思うわけで。
少なくとも奴隷制度クラスの一方的強制がない現在において、トップダウンと呼ばれているものは単に立場の違いであって、指揮命令が上から降りてくるように見えてはいるが、反対する権利が100%存在しないわけじゃない。
ボトムが愚痴を言いながらでもトップ命令を実行している以上、それはボトムが状況に照らし合わせてそのとき思いついた解答の一つ。
「役所が道を作れ」という命令は、今日では絶対ではなくなっているわけだし。

なんにしてもプログラムが個々のオブジェクトとして創発的に動くのは(いわゆる複雑系)、自分としては目指す場所だなと改めて思い直せた。
プログラムコードは意思を持たないという考えは、言霊信者の自分としてはつまらない側の解釈なので(笑)

May 14, 2004

インターネットについて 哲学的考察

ASIN:4782801424:image 読了。


人工知能批判・ハイデガー研究で知られるドレイファスによるインターネット哲学考。
全編を通して理解しやすい論調と具体的状況、過去の哲学者からの引用が盛り込まれており、無理なく著書の理論を読み解ける。

序論
第1章 ハイパーリンクに関する誇大宣伝
第2章 遠隔学習は教育からどれくらい遠いか?
第3章 身体を欠いたテレプレゼンスと現実の遠さ
第4章 情報ハイウェイのニヒリズム。現代における匿名性とコミットメント
結論

という構成なのだが、ヴィリリオの「情報エネルギー化社会」を読んだときに感じた知らぬ間に進行する脱現実化と仮想世界への人類のシフトの恐ろしさを改めて感じられた。
人の手が入らない情報の羅列が、知らぬ間に音量のあがっているホワイトノイズのように人の個性を押しつぶす可能性をドレイファスは的確に示したからだ。

インターネットがもつ匿名性が、WWWをはじめとする情報集積に対する無責任さを許容し、あたかも意味のある情報集合体に見えるがゆえに、遠隔学習といった妄想を描く。
しかし、脱初心者的な効果までが遠隔学習の限界で、中級~エキスパートにいたるには実践におけるリスクを伴う現実の状況、すなわち身体が必要だとドレイファスは説く。
そして、そのインターネットの匿名性は人間をリスクから解放する魅惑的な空間であり、これに抗うにはリスクを受け入れても成し遂げたいと思う何かが個人個人に必要なのだ、と。

ドレイファスの主張には大部分で同意なのだが、ひとつ異を感じる点としては、インターネットの匿名性に魅惑されてしまう人々が個々の差の水平化を求めるという点。
たしかに実体の無い公衆は水平化に向かっているが、個人個人はどうかというと私自身は匿名性があるゆえに差別化への欲求が高まっているとすら思うからだ。
リスクなしに他人より優位位置に立てるという、すばらしく利己的な欲求を今のところはまだ公衆への恐怖により押し込めているが、いずれそれが爆発する可能性も考えられないだろうか?

May 04, 2004

情報エネルギー化社会

読了。

社会の速度基準が光速になったことにより、世界はどのようになるか&なったか、についてポール・ヴィリリオの見解がひたすら書かれている本。
同意すべき点が多く、イメージとして気がついてはいたけれど文章としてまとめるとこんなにも量があるものか、という感じ。
ただ、一点どうかと思うのは正常な人体の機械化の点ですかね。
イメージ的にはまさしく攻殻機動隊な世界をヴィリリオは早くに到来するだろうと思っているようですが、果たしてそんなに早く到達するのであろうか、と。
いずれ到来すべき世界ではありそうですが、その前にもっと別の情報エネルギー社会の破綻が置きそうな気がするわけですが、私は。

いずれにしても、ヴィリリオの言わんとする脱現実化はいたるところに起きているわけで、インターネットが世界をつなぎ、仮想現実が当たり前に存在するのはわりと近い未来。
その前哨戦みたいなところがWebであったりネットワークゲームであったりするわけで、この段階ですでに一定数の人は脱現実化(いわゆる廃人化)を起こしてしまっているのも確か。

現状では馬鹿にされている言葉「脳内サーバー」に、いずれ全ての人が是を示すのではないかと思うと、現実世界での出来事の真偽が問われなくなりそうで恐ろしい……

まあ実際、大きなメディアというものは、そのメディアが欲する世界に沿うように情報を捻じ曲げ、演出し、大衆に流布させているわけで、会社レベルでは限りなく疑えない「大本営発表」が行われているのが現状だし。
急激にはありえないと思われる脱現実化と仮想世界への人類のシフトが、気づかないうちにさりげなく行われていることに、果たしてどれだけの人間が気づき、どういうスタンスを取っている(or取っていく)んでしょうね。

April 01, 2004

状況に埋め込まれた学習 正統的周辺参加

読了。
薄い本なのに長かった……

ただただ教えるだけの学習は効率が悪く、実際に見て&参加して教わる学習が効率が良い

このあたりが論旨かと。

非常に判りやすく、興味深かったのが、仕立て屋の例。
仕立て屋の新入りは、まず親方が作った服の最後の仕上げ(わりと簡単)を手伝いながら、親方の技術を盗み、じょじょに仕立の工程をさかのぼりながら(だんだん難しくなる)覚えるというところ。

確かにプログラミングなんかも基礎(構文文法程度)はあるとしたら、実際に動いているものを改造する(ソース追っかけ)ような感じのほうが覚えやすいし。

しかし、この本、読みづらいことこの上ない……。
社会学、文化人類学、心理学、音楽と大学の一般教養を取っていたにもかかわらず、この本に出てくる用語は抽象的過ぎて理解に苦しみました(苦笑)
勉強が足らんのかなぁ……

February 04, 2004

わからなくなってきました

読了。

わからなくなってきました

そういう本(笑)
そのわからなくなってきた感がすっごく楽しくて、微妙で、しかもがんこ。
肩肘の張らない、本当の意味での随筆(Essay)を読めたと思う。

「自分もこういうのが書きたいなぁ」と思ったので、カテゴリにEssayを追加した(笑)
そのうちなんかかくかもしれません。わからなくなってきました(笑)

知の編集工学

読了。

すべからく思考というものは頭の中で情報を編集することだよー。

というような本。非常に納得。
よく「言葉をつむぐ」なんて言いますが、まさにそれって自分の中で状況から得られる情報を編集して発信するということだし。

特に面白いのが「自分が今頭でやっている思考の編集作業を並行トレースする」という話。
わりとぼーっと物事を考えているときに「なぜそんなことを考えているのか?」「なぜそういう話のつながりになったか?」を自己再確認しながら、さらに思考を馳せれるようにしましょう、と。
そうすることが、自分が「何を考えてそう言ったのか?」をちゃんと把握しつつの、次の思考へのいい踏み台になるわけで。

今、読書中の「わからなくなってきました」をまさにそんな感じで読んでますが、かなり楽しいです(笑)
話の内容に触発されたのもありますが、最近のことだけじゃなくて、小さい頃にあった「わりとつまらないけど覚えていること」を思い出すきっかけになってくれてます(笑)

January 22, 2004

フラジャイル―弱さからの出発

読了。

「弱さ」とは何か?
「弱さ」には深く趣があるものだ。
「弱さ」こそ人が本当に惹かれうるものである。

そういう感じの本です。
「弱さ」が人を惹きつけてやまないのは、個人的にかなり同意なのですが、だからといって「強さ」に趣がないかというと……
この本の中ではひたすら「弱さ」(薄弱、断片、あやうさ、曖昧、境界、異端)について、その惹きつける部分の説明(というか「これ、いいでしょ?」的解説)が書かれてます。
「なぜ、弱さがいいのか?」についての理論展開をしてるのは、最初と最後の章だけなんで、後から読み返すにはそこだけでOKでしょう。

まあ、私も「たいていの試合に負ける阪神タイガース」が好きだったりするわけですが(笑)、どちらかというと「弱い」とわかりきっているものが好きなわけじゃなくて、「予想を裏切る瞬間、および、その境目感」が好きなんだよなー。
阪神だって、ずーっと全敗じゃ好きじゃない。
ぽっと意味不明に大勝するのが楽しい。意味不明にリーグ制覇なんかしちゃうのはもっと楽しい。
そして、「このまま日本一だぜー」と思わせといて、3連敗(笑)
「やっぱりダメかー」と思わせといて3連勝(笑)
で、肝心の最終戦でころっと負けて日本一を取り逃す(苦笑)
そういう「7割はダメと思われてる状態が、6割ぐらい行けそうになる、でもダメ?」という、綱渡り感。
そう考えると一概に「弱い」から趣があるわけじゃなくて、この本における「境界」(トワイライトゾーン)が趣があると思ったり。

日本語的に「弱さ」っていう話じゃないと思うんですよね。
どっちかっていうと「不安定さ」なんだよなー、やっぱり。