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金融工学者フィッシャー・ブラック

金融工学というよりは、経済学全般かな。

金融工学者フィッシャー・ブラック

「1本の数式が世界を変えた。」ということで、なんとなく経済学の本を漁ってうちに面白そうなので読んでみた。

基礎的な経済学の知識が自分自身に足りないので、少し深いところについていけないのは統計学を拓いた異才たちと同じだったわけだけれど、こちらもそういうところはすっ飛ばしても十分に面白かった。

学者としては随分と遅くまで認められなかったブラックだが、そういった境遇にも凹まずに、常に自身の見解を突き詰めていくスタイルはすさまじい。
一つの枠にとらわれることなく、あらゆる角度から経済という現実に対しての切り口を見つけ、そこに新しい発見を見出しては精査を繰り返すのだが、けして「他人の意見を聞かない」わけではなく、常に他人からの質問・意見に答え、悪いところは素直に認めて修正するし、むしろそういう状態をお互いに欲し続けている。
ゆえに、往々にして従来の説に固執する知識だけの学者連からは疎まれたりしてしまうのだが、真に「経済とは何か?」を突き詰めようとする同士とは深いつながりを得ていくことになる。
その性格があまりに強烈なため、数度の離婚(うち一度は死別)を経験したり、大学・コンサル・ファンドを行ったり来たりと激動の人生を送ったわけだが、残念ながら60歳を前に亡くなってしまっている。

経済学という方向に恐るべき集中力を発揮し、その才能をつぎ込んだブラックだが「もし他の学問にその集中力が向かっていたら?」と思わずにはいられなかった。
きっとそこでも、従来の固執した概念にとらわれない斬新な切り口でその分野を照らしていただろうなぁと……

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